香港の民主化運動が「正しい革命」と言えるワケ【香港革命成就への道(3)】

香港の民主化運動が「正しい革命」と言えるワケ【香港革命成就への道(3)】

写真:Jimmy Siu/Shutterstock.com

 

《本記事のポイント》

  • 香港民主化運動のデモ隊の一部が、"暴徒化"することへの批判が起きている
  • 警察の厳しい取り締まりと比較すれば、運動は「抑制的」といえる
  • 問うべきは、運動が目指す「目的」。自由を求める運動は「神が求める革命」

 

「逃亡犯条例」改正案をきっかけ、香港政府に対する大規模な抗議デモが始まってから、3カ月が経過した。林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官が改正案の撤回を発表してもなお、抗議活動は継続。デモ隊は、警察の暴力的制圧の責任追及と外部調査の実施などの5つの要求を受け入れるまで、活動を続けるという。

 

こうした動きに対し、日本のネット上では、「民主化運動に"暴徒"が紛れ込んでいる」との理由から、次のような批判が散見される。

 

「香港デモは不法な暴徒がいる時点で そのデモの理念がどれだけ崇高なものだろうと法を守ってない時点で説得力も共感も得られへんねん」

 

「一部のリベラルさんが暴徒の事には全く触れずに一周遅れで香港の暴力警察がー!って暴徒支持のツイートをしていて、ああ今までの私はこんな人達をリスペクトしていたんだなぁと深く反省している」

 

「香港市民、暴徒としか言いようがないし軍隊でも何でも投入して丸焼きにしちまえよ」(いずれも原文ママ)

 

こうした、一部に見られる暴力を判断基準に、民主化運動を否定する見方が出ている。

 

 

「デモは愛と平和を基調とした理性的な活動」

確かに、暴力的な行為があるのは事実だろう。

 

その一方で、「香港警察が"暴徒化"しているために、市民はそれから身を守ろうとしている」という見方もできる。警察は罪のない市民を大量に拘束し、死者まで出している。水面下では、人民解放軍やマフィアとも連携しているとも言われ、警察に対する市民の信頼は失墜。そのため市民は、"警察から自分の身を守る"という意識が高まっているのだ。

 

8月末から9月上旬にかけて、香港を視察した幸福実現党の釈量子党首は9月10日付のSankeiBizでこう述べている。

 

「一部国内メディアでは、デモ隊を『暴徒』と表現していますが、断じて『暴徒』ではありません。昼は親子連れも見られ、愛と平和を基調とした理性的な活動でした。急な雨に降られた私に、デモ参加者の若いカップルが傘をくれて、2人は相合い傘で去っていきました」

 

「むしろ警察の取り締まりが信じられないくらい厳しくなっています。香港の地下鉄では、丸腰で無抵抗の市民を警察が激しく殴打する『事件』が起き、その様子がネットで拡散されました。香港でも監視社会化が進んでおり、監視カメラを通じて身元が特定される危険も覚悟で、顔を隠しながら活動しています。普通の市民たちが、自由を守るために戦っているのです」

 

民主化運動は、警察の厳しい取り締まりと比較すれば、「抑制的で理性的なもの」であるといえる。

 

 

問題は暴力の有無ではなく、その目的

だが、先述したような否定的な見方が出るのも無理はない。日本のマスコミが民主化運動の意義をほとんど説明しないため、多くの人々はどう判断すべきか分かりづらい状態であるためだ。

 

革命の様相を呈する民主化運動をどう見るべきか──。政治哲学者ハンナ・アーレントの考えが参考となる。

 

「クーデタや宮廷革命が暴力によっておこなわれるという意味では、このような現象はすべて革命と共通している。それらがよく革命と混同されるのもそのためである。しかし、革命という現象が変化だけでは説明できないのと同様に、暴力だけでも説明不十分である。

 

すなわち、ある新しいはじまりという意味で変化が起り、暴力がまったく異なった統治形態を打ち立て、新しい政治体を形成するために用いられ、抑圧からの解放が少なくとも自由の構成をめざしているばあいにのみ、われわれは革命について語ることができるのである」(『革命について』)

 

暴力は肯定できないが、それがあるか否かで善悪を判断できるほど、単純な問題ではない。より重要なのは、デモ隊の主張が「抑圧から自由を守る統治形態を目指すものになっているどうか」である。

 

アーレントは、公的領域で政治参加を行う重要性を説いたが、香港ではそうした場が存在しない。そのため市民は、路上でデモを実施せざるを得なくなっている。

 

 

香港の民主化運動は、「神が求める革命」

デモ隊が求める5つの条件は、「香港の人々が中国の全体主義から解放され、自分たちの共同体の未来を自分たちで決める」という内容になっている。決して、中国共産党のような独裁体制を目指しているわけではない。

 

大川隆法・幸福の科学総裁が9月3日に行った民主活動家の周庭(アグネス・チョウ)氏と習近平国家主席の守護霊霊言で、周氏の守護霊は運動のビジョンについてこう語っている(『自由のために、戦うべきは今』所収)。

 

もちろん、将来的には、できたら政治家になって、そういうこと(香港独立)をちゃんと実現していきたいと思うけど、まあ、ちょっと力が足りなくて不十分なんですが。もっと大きなパトロンがつかないとちょっと無理かなとは思ってるけども、できたら、『香港独立』まで持っていきたい

 

習近平さんは、実は、香港の機能を、深センとか、そっちのほうに持っていこうとしているけど、(私は)『深センとかを呑み込むかたちで香港を独立させ、『三国志』の呉の国みたいなものを、南のほうにつくってしまいたい』という気持ちを持ってる

 

周氏の守護霊は、「香港を独立させ、中国にも民主化の流れを広げたい」という構想に言及。周氏本人はそこまで踏み込んだ発言をしていないが、志を同じくする他の活動家は「香港独立」に触れており、方向性としては同じ気持ちを持っているだろう。

 

民主化運動は、香港の自由を守るだけでなく、中国人14億人にも自由をもたらすという意味で、「神が求める革命」といえる。

 

香港の大規模デモは、中国共産党の支配体制がどのようなものかを、世界に教えてくれている。日本は、「自由を守るために戦うべき時は今」であることを自覚し、行動を起こさなければならない。

 

【関連記事】

2019年9月9日付本欄 日本は邦人保護のための「自衛隊派遣」を表明し、米英と連携すべき【香港革命成就への道(1)】

https://the-liberty.com/article.php?item_id=16232

 

2019年9月10日付本欄 イギリスは香港を救え! 返還時の中英の約束を、中国は一方的に破った【香港革命成就への道(2)】

https://the-liberty.com/article.php?item_id=16236

 

2019年8月31日付本欄 【本誌記者が香港入り】釈量子・幸福実現党党首が香港入り 香港の自由の砦は宗教

https://the-liberty.com/article.php?item_id=16210

 

「自由の創設」のために報道を行っていきたいと考えています。1口1万円からご支援いただければ幸いです。

「ザ・リバティWeb」協賛金のご案内

タグ: 香港  民主化運動  革命  デモ  監視社会  ハンナ・アーレント  周庭  

Menu

Language