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《本記事のポイント》

  • 中国メディアは、守護霊の霊言を本人の発言と報じ、民主化運動の分断を画策
  • 中国の狙いは、香港・中国民主化を求める幸福の科学の封じ込め
  • 日本がすべきことは、「香港革命」を後押しし、「第二の天安門事件」を防ぐこと

香港の民主活動家・周庭(アグネス・チョウ)氏の守護霊が、「香港の自由のために自衛隊を派遣してほしい」などと語り、それを掲載した幸福実現党の機関紙をめぐって、周氏本人が訂正を求めたことが、波紋を広げている。

事の発端を振り返ると、周氏と習近平・中国国家主席の守護霊霊言が3日に収録され、同党は4日に「自衛隊を派遣して香港の自由を守れ」とした機関紙を公開。それについて日本のマスコミが報じない中、約8900万人のフォロワーを持つ中国国営中央テレビ(CCTV)や、香港の中国本土系メディアなどが5日に報道。これらを受け周氏は、自身が発言した内容であるという誤解が広がるとの懸念から、訂正を求めた。

日本のネットでは、「周氏の身に危険が及ぶ」などの理由から、同党を批判する声があがっている。産経新聞やJ-CASTニュースなどは6日、周氏と幸福実現党が対立しているかのような構図で伝え、同党を批判している。

中国共産党は「霊言」を認めている

しかし、一連の騒動に発展させた中国メディアが、日本の政党が発行した"小さなチラシ"に反応すること自体、不思議ではないか。

なぜ、中国共産党の影響下にあるメディアが、霊言にすぐさま反応したか。報じるのであれば、周氏の霊言とともに収録され、幸福実現党の機関紙に紹介されている、習主席の霊言にも触れるべきだろう。

その中で習主席の守護霊は、「(中国の建国記念日である) 10月1日までには (民主化運動を) お掃除しておくようにという大まかな指示は出している 」「 中国に歯向かったらどうなるかを見せつけたら、台湾の総統が誰になるか変わる 」などと述べていた。中国共産党にとって不都合な内容だったために、意図的に触れなかった可能性がある。

幸福の科学グループは、習主席の霊言をこれまで計5冊出版し、一部は中国語にも訳している。例えば、国家主席の座に就く前の2010年9月、習氏の守護霊は"皇帝"として君臨して、世界帝国を建設し、アメリカを追い抜く野望を口にした。実際にその後、主席の任期制限を撤廃して"終身制"とし、「一帯一路」を通じた中華帝国を築き、アメリカの覇権に対抗しようとしている。

中国共産党関係者からみれば、習主席が党内部で語っているものも、霊言の内容が一致しているため、CCTVなどは周氏の霊言を取り上げた。中国共産党は「霊言を認めている」と言っていい。

中国共産党は幸福の科学を封じ込めたい

幸福実現党を含む幸福の科学グループは、「自由・民主・信仰」という理念の下、香港の民主化運動を中国本土にも広げ、中国を民主化することを目指している。

幸福の科学の大川隆法総裁は、香港や台湾でも講演を行うなど、「香港の自由を守る」ことを何度も表明。幸福実現党も、日本の政党で唯一、中国の民主化を促すことを公約に掲げ、先の参院選で戦ったほどだ。

中国共産党にとって、こうした動きが目障りであることは明らか。そのためCCTVなどは、霊言であることを承知の上で、周氏本人の発言であるかのように伝え、日本と香港の連携を分断し、民主化運動の弱体化を画策したのだろう。

台湾でも、中国の情報戦によって、台湾独立派などをけん制する動きが問題視されている。中国共産党が「幸福の科学の動きを封じ込めたい」と考えていてもおかしくはない。

日本のマスコミなどが取り上げるべき本質的な問題は、中国共産党の香港における人権弾圧といえよう。

霊言が常識化している

さらに興味深いことに、霊言がニュースになったことは、ある意味で、霊言という存在が常識化しつつあることの表れということだ。

唯物論を国是としているにもかかわらず、中国の国営メディアなどが、霊言で語られた内容の一部を報じ、1億人近くのフォロワーに拡散した。この動きも結果的に、「中国共産党が霊言を信じ、それを広げた」と見ていいだろう。

自由を求める「香港革命」が起きている

香港では、自分たちの共同体の未来について意思決定できる「自由の創設」を目的にした「香港革命」が進んでいる。香港から中国に民主化を広げ、「中国革命」につなげる壮大、かつ深遠な運動だ。

中国共産党は香港革命を弾圧し、「第二の天安門事件」を起こす可能性が強まっている。これに対して、明確にノーを突きつける宗教は幸福の科学しかなく、日本の政党としては幸福実現党のみである。

幸福の科学や幸福実現党は、周庭氏ら民主化運動家を守るために、言論の自由を行使しているのであって、悪を為しているのは北京政府である。

日本のマスコミや政党、宗教などは、第二の天安門事件を防ぎ、香港を守るために何ができるのか、立場を明らかにすべきだろう。香港の人たちの自由を奪う「北京ナチズム」を黙認し、かつてのユダヤ人のように見捨てるのか否か──。日本は、自由をめぐる人類の選択を迫られている。

【関連書籍】

幸福の科学出版 『自由のために、戦うべきは今 習近平vs.アグネス・チョウ 守護霊霊言』 大川隆法著

https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=2250

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