《本記事のポイント》

  • 中国の研究グループが人間の遺伝子をサルの脳に移植実験
  • 唯物論・無神論国家の中国は倫理的に問題のある実験を躊躇なく行う
  • 「神の領域」に踏み込もうとする唯物論国家の暴走を許してはならない

中国の研究グループが、人間の脳の発達に関わる遺伝子をサルに移植する実験を行った結果、サルの認知機能が向上したとする研究論文が3月、中国の英文総合科学誌「ナショナル・サイエンス・レビュー」で発表された。

このニュースが発表され、科学界では倫理観に基づく大論争が発生。インターネット上などでは、技術の暴走により、サルが人間を支配するSF映画「猿の惑星」のような世界にならないか、心配する声も上がっている。

霊長類の遺伝子実験に規制がない中国

この研究は中国南西部の昆明動物研究所の主導の下、中国科学院、米ノースカロライナ大学が共同で実施。人間の「MCPH1」遺伝子の複製をアカゲザル11匹に移植したところ、人間の脳の発達における特徴と似た変化が現れ、さらに記憶力が向上していたという。

科学者の間では、霊長類の遺伝子操作について、倫理性に関する議論が続いている。アメリカやヨーロッパでは、霊長類を用いた研究は困難な状況だが、中国では霊長類を利用しての実験に規制はない。

研究グループの1人はCNNの取材に対して、研究は「長期的には人間の脳疾患に関する知見をもたらす内容だ」と述べている。

「神の領域」に立ち入ろうとする無神論国家

たとえ人類の進歩に貢献するとしても、生命倫理の規範を無視しての技術の発展には問題がある。

人間は類人猿から進化したのではなく、神によってつくられた存在だからだ。人間が科学技術によって、そのような「神仕組み」を操作することは許されることではない。

唯物論国家の中国は、神の存在を否定している。そのため、他国の研究者が踏み込まない遺伝子操作などの実験を躊躇なく行えるのだろう。

実際に、中国では1月にも、狙った遺伝子を改変できる「ゲノム編集」技術と体細胞クローン技術を使い、全く同じ遺伝情報を持つサル5匹を誕生させることに成功したと発表している。

さらに、中国の南方科技大学の研究者が、遺伝子を効率よく改変できる「ゲノム編集」技術をヒトの受精卵に使い、双子の女児が誕生したという問題もある。

「神の領域」に踏み込むことを恐れない国家の暴走を許さないためにも、日本など周辺国家が、宗教や信仰心を強め、「神仏の目で見た正しさ」に導いていくことが求められる。

(駒井春香)

【関連記事】

2018年12月2日付本欄 「ゲノム編集で双子誕生」の中国人科学者 政府の援助で「遺伝子ビジネス」を手掛けていた

https://the-liberty.com/article/15167/

2018年9月13日付本欄 食料・医療分野で活用されるゲノム編集 「神の領域」に立ち入りつつある新技術

https://the-liberty.com/article/14872/

2018年5月25日付本欄 すでに「人工生命体」は生まれている 生みの親は唯物論科学者

https://the-liberty.com/article/14503/