情報統制の強化を進める中国で、インターネットの世論が裁判所の判決を覆した。

1月上旬、河南省の土砂運送業者の男性が、高速料金の支払いを不当に免れていたとして逮捕、中級人民法院(地裁)において詐欺罪で無期懲役の判決を言い渡された。しかし、この判決に対し、ネット上で「高速料金にしてはありえない高さ」「刑が重すぎる」など書き込みが数十万件にも達した。そうした世論の圧力を受けて、高級人民法院(高裁)が調べたところ、高速料金は不当、男性も身代わりの人物と判明。同高裁は、地裁の裁判長など関係者を停職処分するとともに、事件の再審を命じた。中国司法のずさんさが浮き彫りになった事件ではあるが、国民には不正を許さない道徳心があるという一つの希望を映し出しもした。

ネット社会において情報統制は必ず限界がある。情報統制の「壁」が崩壊したときに、中国国民に良識・正しい価値観があれば、中国は民主化することができるかもしれない。(吉)

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