維新の党最高顧問である橋下徹・大阪市長が27日に記者会見を開き、「国政政党から離れ、大阪の地方政治に軸足を移す」と離党を宣言。同党顧問の松井一郎・大阪府知事も離党を表明した。

維新と言えば、「浪速のエリカ様」の異名を持つ上西小百合・衆議員が、衆議院の本会議を欠席した理由をめぐって騒動を起こし、4月に除名されたばかり。

さらに、同党に残された松野頼久・代表は民主党の出身。柿沢未途・幹事長も元々みんなの党の出身で、昨年9月、結いの党から維新に合流した人物である。橋下・松井両氏の2枚看板が抜けた維新の党は、事実上の"解党状態"と言える。

そもそも、今年5月に行われた大阪都構想が住民投票で否決された時点で、同党の存在意義は失われていたのだろう。

しかし、橋下人気にあやかろうと、自民党は秋波を送っているようだ。6月には東京で、安倍晋三首相や菅義偉官房長官らと会談。その際に、来年の参院選を視野に「国政への期待感」を示されたといい、憲法改正について熱心に語り合い意気投合したという。

それよりもずっと以前のことだが、橋下氏が「将来の総理候補」と騒がれていた2012年5月、大川隆法・幸福の科学総裁は、橋下氏の守護霊霊言を行った。橋下氏の守護霊は「そのときそのときに、最高の支持率を取れる政策を出していくことが大事」と、その定見のなさを明らかにしていた。

霊言の収録後、大川総裁は橋下氏について、「どちらかというと、『商売をし、一時的に人気を得て、そこで取り尽くしたら、よそに移動する(中略)』というタイプの人に見えなくはない」と分析し、「旅芸人の一座のようなもの」と指摘していた。(下記、関連書籍『徹底霊査 橋下徹は宰相の器か』所収)

この指摘通り、テレビ番組で人気を集め、大阪府知事から大阪市長に転身するなど、話題に事欠かない橋下氏だが、政治の世界で残した実績は少ない。

有権者から「No」を突き付けられた大阪都構想も、その先には、道州制があった。だが、沖縄県知事が米軍の基地移設問題で政府を振り回しているように、地方の権限を強めることは、国の主権を弱めかねない。「二重政府」にもなりかねず、国防上も行政効率の観点からも問題がある、本欄ではそう指摘してきた。

マスコミは、そうした橋下氏を、さまざまな形で取り上げ、有権者に「期待感」を持たせてきたが、維新の党は、この国の政治に、一体何を残してきたのか。また、地方の首長の人気に国会議員があやかり、振り回される様はあまりにも情けない。

中国や北朝鮮が日本にミサイルを向けている危機の時代に、マスコミや有権者は、本当のこの国を守るために汗をかく、本物の政治家を選ぶ目を持たなければいけない。(居)

【関連書籍】

幸福実現党刊 『徹底霊査 橋下徹は宰相の器か』 大川隆法著

https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=763

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2015年5月18日付本欄 大阪都構想が否決 「志」なき橋下徹氏の本心

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