自衛隊はどうやって日本を守っている - そもそモグラのそもそも解説
2013.01.25
2013年3月号記事
そもそモグラのそもそも解説
自衛隊はどうやって日本を守っている
中国・北朝鮮の軍備拡大は、日本にとって大きな脅威だ。ところで、日本の自衛隊はどのように国を守っているのだろう。世界一流の戦力を持つと言われる自衛隊の役割と課題について整理した。
(編集部 山下格史)
中国は20年連続で軍事費を二ケタ増加させ、最近では、航空母艦(空母)の就航やステルス戦闘機の試験飛行を行うなど、驚くべきスピードで軍備の拡大を続けている。また、沖縄県の尖閣諸島近くで、船や飛行機による領海・領空侵犯を繰り返すなど、日本への挑発行為も日増しに大胆になっている。
その中国の支援を受ける北朝鮮も昨年12月、ミサイル発射実験に成功。近く核実験をするとも言われており、この二国と海を隔てて国境を接する日本にとっては大きな脅威である。
「自衛隊は世界一流の戦力」
そこで気になるのが、「自衛隊は、どうやって日本を守っているか」ということだ。
まず確認したいのが、 自衛隊は憲法上、存在の根拠が曖昧だが、どう見ても、国内外の脅威から国を守る立派な軍隊である ということ。
隊員数は約23万人で、主に、陸上自衛隊(陸自)、海上自衛隊(海自)、航空自衛隊(空自)で構成している。首相が最高指揮官であり、その下に防衛相がいて、陸海空の各幕僚長が防衛相の参謀として補佐しながら部隊を動かしていく。
ちなみに、自民党政権の2008年、懸賞論文問題で事実上更迭された田母神俊雄氏は当時、航空自衛隊トップの航空幕僚長だった。
では、自衛隊はどれぐらい強いのか。
初代内閣安全保障室長を務めた佐々淳行氏は、「通常兵器による防御戦では、世界一流の戦力」と指摘する。 これを実現しているのは、世界最強と言われる「F‐15」戦闘機に象徴される兵器の性能や、日々の隊員の訓練レベルの高さだ。軍隊に対する理解が浅い日本人の多くが自覚していないが、実は、自衛隊は他国もうらやむほどの強い戦力を持っているのだ(下)。
自衛隊の戦力は世界の中でも一流だ!
陸上自衛隊14万人
陸自は、国土侵略を防ぐ「最後の砦」としての役割を担う。PKO活動(注)で世界から称賛されたように、規律正しく、士気が高い。最新鋭の10式戦車(左)は移動中の命中精度も高く、ヘリや歩兵からの情報を一元管理する役割も果たす、世界最高レベルの戦闘力を持つ。
海上自衛隊4万2千人
海自は、海や空からの侵略に備え、主に周辺海域を監視する。ディーゼル機関の潜水艦としては世界最大の「そうりゅう」型潜水艦(左)は静粛性に優れている。世界一の呼び声が高い対潜哨戒機P-3Cを約80機持ち、6隻のイージス艦を合わせ、世界有数の装備を誇る。
航空自衛隊4万3千人
空自は、空や海からの侵略に備え、主に周辺空域を監視する。世界最強の戦闘機と名高いF-15戦闘機(左)を約200機も保有し、そのパイロットの腕も優れている。飛来する航空機やミサイルを迎撃するパトリオット・ミサイル(PAC-3)も空自が保有している。
(注)国連が主導するPeacekeeping Operations(平和維持活動)の略。
国連加盟国の軍隊が紛争地に赴き、停戦の監視や紛争国間の交渉・調停などを行う。
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