ノーベル平和賞にEU だが本質は「愛国心の欠如した弱小国家集団」

2012.10.14

ノルウェーのノーベル賞委員会は12日、欧州連合(EU)に2012年のノーベル平和賞を授与すると発表した。

EUの授賞理由は、「前身の時代から、60年以上にわたり欧州の平和と和解、民主主義と人権の促進に貢献した」など。EUは2度の世界大戦の教訓を踏まえ、「二度と戦争を起こさない」という決意の下で設立され、通貨の統一や、欧州での統合を進めてきた。

EUのファンロンパイ大統領と欧州委員会のバローゾ委員長は共同声明で、「戦争と分断を克服し、平和と繁栄の大陸を築く試みへの最大の評価だ」と強調。受賞を機に、さらに欧州統合が促進し、債務危機を回避することへつながるとの意見もある。

しかし、EUは現在、ギリシャなどの経済基盤の弱い国々が足を引っ張り、EU全体を引き倒しかねない状況にある。依存的な関係で成り立つEUにノーベル平和賞を与えることに対しては疑問符が付く。

大川隆法・幸福の科学総裁は、EUの本質的な問題について、本誌2012年9月号の論考「未来への羅針盤」でこう指摘している。

「『ユーロ制度は、うまくいかないだろう』ということです。それは、『ドイツ国民やフランス国民から、いかにカネを取るか』を意味するからです」

「EUは今や弱小国家集団を意味しており、弱い国は強い国からの支援を求めがちです。(中略)彼らは心を変えるべきであり、それぞれの国が国家意識や国民国家の立場に立って、自国の金融システムを作り直し、立て直すべきです」

「結論として、EUの抱える問題点は、本物の国家意識の欠如であり、世界レベルの正義の観点から見た愛国心の欠如です」

つまり、健全な愛国心を失くし、他国に援助を求めるような国を寄せ集めても、その地域が繁栄することはないということだ。経済が崩壊すれば、目指していたヨーロッパの平和を実現することもできず、逆に、生き残りをかけた富の収奪という形での戦争の危険性すら出てくるだろう。

今、ヨーロッパ各国が取り戻すべきは、セルフ・ヘルプ(自助努力)の精神であり、経済面のみならず、政治などのあらゆる面での自立である。(飯)

【参考記事】

2012年9月号記事 EU金融危機の根本原因

http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=4627

2012年10月12日付本欄 ノーベル文学賞に中国人作家の莫言氏 中国の国際常識が測られる

http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=5000

2012年10月9日付本欄 山中伸弥教授がノーベル賞を受賞 世紀の発見の背後には神の存在が

http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=4991


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