日本の粗鋼生産量が1969年以降最低に、一方「脱炭素」を遅らせる中国は高炉を造り生産過剰 ─ 「脱炭素」をやめて製造業を守る取り組みを
2026.01.23
《ニュース》
2025年の日本の国内粗鋼生産量がコロナ禍を下回る中、中国が過剰生産した安価な鋼材を輸出に回しているために需給過多となり、日本も影響を受けていることを23日付日経新聞が報じています。
《詳細》
日本鉄鋼連盟の22日の発表では、2025年の国内粗鋼生産量は前年比4%減の8067万トンとなり、1969年以降で最低となりました。新型コロナウイルスの感染拡大で前年比16%減に落ち込んだ2020年(8318万トン)を下回るものとなります。
中国の2025年の粗鋼生産量は9億6081万トンと、前年比4.4%減となっているものの、依然としてアメリカや日本の10倍以上という高水準にあります。中国の鉄鋼に依存するとなれば、有事の際に船も自動車も造れなくなることを意味します。製鉄能力を維持することは、経済面だけでなく、安全保障上も切実な問題と言えます。
日本国内では、「人手不足などによる工事の遅れ」や「新車販売の縮小傾向」により内需が低迷しています。また、日本の鉄鋼製品の4割を占める輸出の量は、25年に4.2%減少。中国が、不動産不況や景気減速で過剰になった安価な鋼材を輸出したことや、中国が原因の関税措置で日本も関税の対象となったことなどから輸出環境は悪化しており、販売価格は低迷しています。
日本国内の鉄鋼の生産設備の統廃合も進んでいます。日本製鉄は広島県呉市や茨城県鹿島市で高炉を休止し、国内15基を10基まで減少させました。JFEホールディングスも川崎市の高炉を休止しており、27年度には広島県福山市の高炉も1基休止する予定です。日本製鉄は、アメリカ鉄鋼大手のUSスチールの子会社化、インドでの製鉄所の新設で生産能力を拡大する方針を取っています。
製造業の基盤である鉄鋼生産が先細れば、産業の維持、国力の維持に加え、安全保障上の懸念にもつながります。そうした中にあって、鉄鋼業は近年、「脱炭素」への取り組みにより、大きな負荷がかかっています。
《どう見るか》
「自由・民主・信仰」のために活躍する世界の識者への取材や、YouTube番組「未来編集」の配信を通じ、「自由の創設」のための報道を行っていきたいと考えています。
「ザ・リバティWeb」協賛金のご案内
YouTubeチャンネル「未来編集」最新動画