トランプ氏が「中露が秘密の核実験」と警告 ─ 「核の時代」が復活し、米保守派から日本の核保有を求める声も
2025.11.29
ロシアの核弾頭を搭載できる大陸間弾道ミサイル(ICBM)「ヤールス」(画像:Oleg - stock.adobe.com)。
《ニュース》
トランプ米大統領が「核兵器の実験を再開する」と約1カ月前に述べたことが、波紋を広げています。米民主党の上院議員はこのほど、33年前に終止符を打った実験を再開しないよう、大統領に求めました。しかし、トランプ氏が指示した背景には、「中国とロシアが秘密裏に核実験を行っている」という無視し得ない事情があります。
《詳細》
トランプ氏が10月30日に、核実験に向けた作業を始めると表明しました。爆発を伴う核実験が本当に行なわれれば、米ソ冷戦後の1992年以来、33年ぶりとなります。これを受け、米エネルギー長官は、爆発が伴わない「未臨界実験」になるとの認識を示しました。
核実験の再開を命じたトランプ氏は、米CBSテレビで放送されたインタビューで、ロシアや中国などが秘密裏に地下核実験を行っているとし、「他国が実験している中で、アメリカだけが行わないのはよくない」と指摘し、こう述べました。
「(ロシアなどが)地下深くで実験を行い、人々が詳細を正確に知ることはできない。少しの振動を感じる程度だ」「他国がやっているように、我々も核兵器を実験するつもりだ」
秘密の核実験が何を意味するかが分からない中、米情報機関は、爆発力が極めて小さい小規模な核実験(超臨界実験)の可能性が高いと評価していることが伝えられ、中国も同じことをしているのではないかと危惧されています。
米シンクタンク「大西洋評議会」副会長のマシュー・クローニグ氏は、「現在の動きは核兵器の削減ではなく、増強に向かっている」「我々は1990年代や2000年代よりも冷戦に近い、第3の核時代に突入している」と警鐘を鳴らしています(10月31日付米紙ウォール・ストリート・ジャーナル日本語電子版)。
《どう見るか》
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