ドイツ、新疆ウイグル自治区から逃れてきたウイグル人女性を"手違い"で中国に強制送還 ─ 決してあってはならない「大失策」
2025.11.12
《ニュース》
ドイツの地方当局が、中国・新疆ウイグル自治区での迫害から逃れてきたイスラム系少数民族のウイグル人の女性を、トルコではなく中国に"手違い"で強制送還していたと、11日付AFP通信などが報じています。
《詳細》
ウイグル人女性レジワングリ・バイケリさん(56)は11月初旬、ドイツ地方当局によって、中国・北京に強制送還されました。彼女は北京に到着しても逮捕されず、娘と連絡を取ることができました。娘はすぐにアラブ首長国連邦のドバイ行きの飛行機を予約。バイケリさんは無事トルコにたどり着くことができたということです。
しかし、ドイツ地方当局がウイグル人女性を中国に強制送還したという事実は、大きく批判されています。
ウイグル問題専門家のエイドリアン・ゼンツ氏は、AFPの取材に対し、「これは明白な人権侵害であり、彼女を大きな危険にさらした」「彼女が無事に中国を脱出できたのは運が良かっただけだ」「大失策だった」などと述べました。
独ニュース週刊誌シュピーゲルによると、バイケリさんは2017年に娘と共に、中国共産党によるウイグル人弾圧が行われていた新疆ウイグル自治区を脱出し、トルコに逃れました。バイケリさんはしばらくトルコで暮らし、24年にドイツに移って娘と合流。難民認定申請を行いました。
しかしドイツ連邦移民・難民庁は、バイケリさんの申請を却下し、トルコへの強制送還を命じました。
強制送還を実施する責任を負う、バイケリさんの居住地であるニーダーザクセン州当局が、彼女を強制送還しようとしたところ、彼女が中国のパスポートを所有する一方、トルコの身分証明書を持っていないことを確認。そこで当局は、バイケリさんを中国行きの飛行機に乗せたのだといいます。
《どう見るか》
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