中国が独占する「ガリウム」生産、日米が生産へ ─ 「希少金属を武器化」する中国依存脱却に本腰

2025.08.05

《ニュース》

経済産業省所管のエネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)と総合商社の双日は4日、米アルミニウム大手のアルコアと連携し、オーストラリアでレアメタル(希少金属)「ガリウム」の生産に乗り出すと発表しました。

《詳細》

ガリウムは半導体やLED、レーダー、スマートフォンの製造に欠かせないレアメタルの一種です。中国が世界生産の96%を占めており、日本が輸入しているガリウムの6割前後が中国産です。

しかし、中国が2023年にガリウムの輸出規制を強化して以来、輸出は8~9割減、価格も86%高くなるなど、安定調達の懸念が高まっています。また、中国は24年12月にガリウムをはじめとする重要鉱物の対米輸出を原則禁止しています。

日米がオーストラリアに設立する合弁会社は26年からガリウムの生産を開始し、28年には日本が中国から輸入していた量に相当する年55トン以上の生産を目指しています。

中国はガリウムの他にも、レアメタルの一種であるレアアース採掘量で世界の約7割、精錬で約9割を占めるなど、国際シェアトップを誇ります。

11年には、前出のJOGMECと双日が日本向けレアアースの確保のためにオーストラリアのレアアース企業・ライナスに約332億円(現在の為替レート)を出資し、23年に約194億円を追加出資するなど、供給網の「脱中国化」を図ってきました。

しかし脱炭素を進めるなかで、EV自動車や太陽光パネルの部品となるレアメタルの需要が高まったことなどにより、依然として中国依存は高く、経済安全保障上のリスクを孕んでいます。

《どう見るか》

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タグ: 中国  環境破壊  オーストラリア  半導体  レアアース  経済産業省  独占  ガリウム  鉱物  レアメタル 

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