習近平政権の「米大統領選」への本心と、「北朝鮮ロシア派兵」への動揺【澁谷司──中国包囲網の現在地】
2024.11.11
アジア太平洋交流学会会長・目白大学大学院講師
澁谷 司
(しぶや・つかさ)1953年、東京生まれ。東京外国語大学中国語学科卒。東京外国語大学大学院「地域研究」研究科修了。関東学院大学、亜細亜大学、青山学院大学、東京外国語大学などで非常勤講師を歴任。2004年夏~05年夏にかけて台湾の明道管理学院(現・明道大学)で教鞭をとる。11年4月~14年3月まで拓殖大学海外事情研究所附属華僑研究センター長。20年3月まで、拓殖大学海外事情研究所教授。著書に『人が死滅する中国汚染大陸 超複合汚染の恐怖』(経済界)、『2017年から始まる! 「砂上の中華帝国」大崩壊』(電波社)など。
米大統領選ではトランプ氏が勝利した。習近平・中国国家主席は電話で祝意を伝えたと報じられたが、内心、どのような思いだったのだろうか。
今年に入ってから、中国共産党が誰を支持するのかについて、さまざまな憶測が飛び交っていた(*1)。もちろん習近平政権が陰に陽に行ってきたことをつぶさに見れば、トランプ氏の方を警戒するであろうことは明らかだ。だが公式では、「これは米国の内政問題であり、我々は民主党・共和党どちらかの味方をするつもりはないし、興味もない」と答え続けてきた。
(*1)2024年10月29日付『万維博客』
"ハリス氏批判記事"から見える策略
10月末、親中派メディアの「香港01」が掲載した米大統領選挙に関する記事も、そうしたはぐらかしの一環かもしれない。ハリス氏を侮辱し、トランプ氏を期待するかのようなその論調を、多くの転載メディアが「北京の思惑はいかに? 香港メディア『もしこの人が当選すれば、世界は大混乱に陥る』」という見出しをつけて紹介した。
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