台湾有事で沖縄・離島住民の避難はできるのか 図上訓練で厳しい現実が浮き彫りに
2023.05.16
画像:icosha / Shutterstock.com
《ニュース》
有事が起きた際の沖縄県・先島諸島の住民を避難させる計画をめぐり、離島の自治体から国と県の想定の甘さを指摘する声が上がっています。3月に行われた図上避難訓練について、多良間(たらま)村の伊良皆(いらみな)光夫村長は「あまりに表面的。まず無理でしょう」と語ったと、読売新聞が14日に報じました。
《詳細》
沖縄県は3月に他国から武力攻撃を受けることを想定して、台湾に近い先島諸島の住民を避難させる図上訓練を行いました。課題を洗い出すために実施された訓練では、多良間村の住民は宮古島市に、与那国町や竹富町の住民は石垣市に、1日~2日間かけて民間の船や飛行機で移動し、そこからさらに九州に避難するという案を検討しました。
読売新聞によると、人口約1100人の多良間村は、観光客を含めて飛行機で400人、フェリーで900人を運ぶとされました。ただし、同村にある空港はプロペラ機しか離発着できず、400人を輸送するには1日で8往復する必要があります。整備や暗闇の中では空港を使用できないなどの条件を考えれば、1日で輸送できるか分からないといいます。
県によれば、要介護者や入院患者を含めた輸送力の確保、悪天候などで欠航した場合の対応、避難先の自治体との連携などの課題が判明しました。
《どう見るか》
「自由・民主・信仰」のために活躍する世界の識者への取材や、YouTube番組「未来編集」の配信を通じ、「自由の創設」のための報道を行っていきたいと考えています。
「ザ・リバティWeb」協賛金のご案内
YouTubeチャンネル「未来編集」最新動画