「女性・男性という言葉を使うと差別を助長する」と研究者プロジェクトが発足 問題の本質が議論されず「言葉狩り」が横行する状態は極めて危険

2023.02.18

画像は、生態系および進化生物学(EBB)言語プロジェクトのサイト。

《ニュース》

アメリカとカナダの研究者らはこのほど、生態系および進化生物学(EEB)言語プロジェクトを立ち上げました。その中で、「女性」や「男性」、また「父親」や「母親」などの用語は差別を助長するとして、使用しないように呼び掛けています。

《詳細》

14日付の英紙テレグラフの報道によると、同プロジェクトは、「男性」や「女性」という呼称は、「性別が男女しかない」という考えを事実上、助長しかねないと主張。代わりに、それぞれ「精子を生産するもの」「XY染色体」や「卵子を生産するもの」「XX染色体」などと名称変更するように呼びかけています。

その他にも、「侵略的」や「外来種(non-native species)」は軍事的で、移民への排撃的な考えにつながりかねないとしています。また、新薬や食品などの試験としてよく採用されている「二重盲検法(Double blind test)」も、障害を持つ人への攻撃になりかねないとして、使用を控えるように訴えています。

一方で、専門家からは、こうした取り組みは、科学的な議論の正確さを欠き、混乱を呼びかねないと懸念する声が相次いでいます。

英ケント大学のフランク・フレディ教授は、「もし『男性』『女性』、もしくは『母親』『父親』などの言葉を使って、区別することが有害とするなら、それはイデオロギーの主張によって、科学を捨て去るということです」と述べました。

また、「どのような意図にかかわらず、用語の見直しを図ることは、多くの場合、混乱を招きます。(研究や論文で)使われる言葉が何を意味しているのか、明確に分からなくなるということは、科学者がやってはいけないことのはずです」と指摘しました。

《どう見るか》

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タグ: 生態系  差別  性別  個人情報  LGBTQ  移民  用語 

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