釈量子の志士奮迅 [第111回] - 徳ある政治と「減量の経済学」
2021.12.24
2022年2月号記事
幸福実現党 党首
釈量子の志士奮迅
第111回
幸福実現党 党首
釈 量子
(しゃく・りょうこ) 1969年、東京都生まれ。國學院大學文学部史学科卒。大手企業勤務を経て、幸福の科学に入局。本誌編集部、常務理事などを歴任。2013年7月から現職。
釈量子のブログはこちらでご覧になれます。
https://shaku-ryoko.net/
徳ある政治と「減量の経済学」
政府は55.7兆円という過去最大の経済対策を決定し、臨時国会で成立させる見込みです(12月15日時点)。裏付けとなる補正予算案も過去最大規模となります。1年間の税収が約60兆円であることを考えると、来年分をほぼ"食いつぶす"ことになります。
「ワニのアゴ」が外れた
2020年の一般会計歳出は147.9兆円と天井をぶち抜くような額でしたが、これはコロナ禍による「例外中の例外」だったはず。それが気づけば今年も同レベルとなっていることは、異常事態です。
財務省が国の歳入に比べて歳出の増え方が多いことをよく、「ワニの口」に例えますが、もはや"ワニのアゴが外れた"状況と言ってもよさそうです。
そもそも政府の債務残高は1200兆円の大台に乗っています。これ以上膨らめば、さすがに信用不安・国債暴落が現実のものとして迫り、そのツケは、国民に回ってきます。
財務省がHPに公表している「ワニの口」のグラフ。
欲望とバラマキで遠のく財政再建
借金を際限なく膨らませる支出ですが、使い道は、「バラマキ政策」など、虚しいものばかり。
今回の予算でも、公明党肝いりの「18歳以下の子どもへの10万円給付」は、その半額についてクーポン支給か、全額現金かで揉めはしたものの、消費税1%分もの血税を投入すること自体の是非を問う声はほとんどありませんでした。
一方で財政破綻を回避しようとする政府は、倹約ではなく、金融資産課税をはじめ、増税の準備を進めています。「マイナンバーを銀行口座と紐づけ、給付金受け取り用に政府のオンラインシステムに登録すると7500円分のポイント付与」というキャンペーンも、貯金税などへのインフラづくりに他なりません。
欲望に火を点け、豊かな人への敵愾心を煽り、嘘を重ねて増税を繰り返すような政治は、まさに天道廃絶。ルサンチマン型の政治は、「誠」の道ではありません。 この様子を見れば、いまの政治に「欲望の民主主義」から脱却し、財政を立て直すことなどできないことが分かります。
政府債務返済計画を!
大川隆法・幸福実現党総裁は、このほど発刊した著書『減量の経済学』で、「今、必要なのは、政府にとっては千二百兆円の赤字、(中略)これを返す計画というのがないのです。(中略)いつまでに減らすのか。やはり考えるべきだと思います」と説きました。同書で大川総裁は、二宮尊徳翁が温泉の湯桁で弟子に語った「湯船のたとえ」を紹介しています。「大人が風呂に入り、肩まで浸かれないと言うが、しゃがんだらいい」という教えです。湯船が浅いのではなく、屈まないのが過ちである──考え方を変えれば、「不足」どころか「余剰」が生まれます。
政権が変わるごとに無駄な省庁がつくられ、役人も増え、民間経済を阻害することに対しては「やらなくてよい仕事はするな」と国民はうるさく迫らなければなりません。そして、知恵を尽くして「減量」に着手し、成果を出した政治こそ、評価しよう、という風潮が生まれてこなければなりません。
「勤勉革命」で切り拓く新しい繁栄の時代
そのために必要なのは、「徳ある政治」と「勤勉の精神」です。
尊徳翁は倹約により蓄えた富で、高利貸しの借金にあえぐ人には無利息の金を貸し、飢饉のときは飢えに苦しむ藩に米の援助もしています。しかし、あくまでも貸しているのであって、返せるようになったら分割でもいいとして返済させているのです。
金は恵んではならない。甘えさせればかえって怠け心を助長し、自分の足で立とうという意欲を削いでしまう──現代の政治も、同じ原理のはずです。
1200兆円の政府債務を整理するのは本来、命懸けの仕事です。神の眼から見て自らの欲を振り返り、人々の本当の幸福を考える利他の精神で貫かれた政治家でなければ、健全財政など望むべくもないことでしょう。
「勤勉革命」で共産主義・社会主義・福祉国家の理想を乗り越え、誇りある日本を取り戻すため、私たちは戦い続けます。日本から新たな繁栄の時代が生まれることを信じてやみません。
「自由・民主・信仰」のために活躍する世界の識者への取材や、YouTube番組「未来編集」の配信を通じ、「自由の創設」のための報道を行っていきたいと考えています。
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