釈量子の志士奮迅 [第109回] - 日本人は自国防衛の「覚悟」を固めよ 米英豪の軍事同盟AUKUSが発足
2021.10.28
2021年12月号記事
幸福実現党 党首
釈量子の志士奮迅
第109回
幸福実現党 党首
釈 量子
(しゃく・りょうこ) 1969年、東京都生まれ。國學院大學文学部史学科卒。大手企業勤務を経て、幸福の科学に入局。本誌編集部、常務理事などを歴任。2013年7月から現職。
釈量子のブログはこちらでご覧になれます。
https://shaku-ryoko.net/
日本人は自国防衛の「覚悟」を固めよ
米英豪の軍事同盟AUKUSが発足
9月に創設が発表された米英豪3カ国による新たな軍事同盟AUKUSは、世界に衝撃を与えました。特定の国を名指しこそしていませんが、中国への抑止が狙いであることは明らかです。
対中包囲網を意識した枠組みとしては、すでに日米豪印による「QUAD(四カ国戦略対話)」がありますが、残念ながら、コロナワクチンの安定供給や気候変動への対応に止まっており、軍事同盟まで至っていないのが現状です。
オーカスが軍事同盟として機能することでクアッドの弱点が補強され、中国包囲網を強化できます。さらに今後、日本やインドまで加盟国が広がれば、包囲網は一層強固に。「アジア版NATO」が実現するという、中国が最も恐れていたシナリオにつながります。
日本も近い将来の加盟を見越して、オーカスとの連携を強化すべきです。
米英から原潜技術提供という"異例"
加えて注目すべきが、非核保有国であるオーストラリアが原子力潜水艦を保有することです。米英から技術提供を受けて8隻の建造を予定していますが、これは極めて異例です。
というのも、原潜は「機密の塊」とも呼ばれる"虎の子技術"。アメリカは1958年、イギリスに技術供与したのを最後に、どの国にも技術を渡してきませんでした。世界を見渡しても保有するのは、米英に加えてロシア、中国、フランス、インドの6カ国。ごく一部の開発に成功した国に限られます。
もともとオーストラリアは、フランスと契約をして潜水艦開発計画を進めてきました。しかしこちらは原子力ではなく「ディーゼルエンジン」を動力としており、燃料補給のため定期的に浮上する必要があります。これでは自ら現在地を公表するようなものであり、「究極のステルス兵器」とされる潜水艦の強みを十分に発揮できません。
一方でアメリカが技術提供を検討する原潜は、原子力を動力とするため燃料補給がほぼ不要となり、南シナ海など広範囲における長期間潜航、哨戒活動が可能となります。
東南アジア海域で軍事演習を行う、米海軍のロサンゼルス級原子力潜水艦「ルイビル」(2019年)。画像:TheMariner4291 / Shutterstock.com
対中強硬の旗幟鮮明で米英豪が一致団結
こうした動きをバイデン米政権が頑張ったとみる向きもありますが、報道によるとオーカス創設は、自国防衛の思いを強めるオーストラリアが必死に働きかけたようです。
同国は昨年4月、新型コロナウィルスの起源を巡り、第三者による独立した調査を要求。これを受け中国は一気に圧力を強め、中国共産党系紙・環球時報の編集長が中国版ツイッター「微博」に、「(オーストラリアは)靴の裏にこびりついたチューインガムのようなもの」と投稿したこともありました。オーストラリアはますます不信感を強め、モリソン首相も中国による脅しや圧力には「決して屈しない」と信念を貫いてきました。
一方でEUを離脱したイギリスも外交方針を転換し、インド太平洋回帰を掲げています。
香港や新疆ウイグル自治区などにおける人権蹂躙への批判や、最新鋭空母・クイーンエリザベスのインド太平洋地域への派遣、環太平洋パートナーシップ協定(CPTPP)への加盟申請など、アジアの自由と民主主義を守るため取り組んできました。
対中強硬姿勢を鮮明にするイギリスに対して今年3月、原潜保有を望むオーストラリア海軍が、建造技術の供与を打診。これを支持したジョンソン英首相が6月の主要7カ国(G7)首脳会議で、米英豪3カ国による秘密首脳会談を取りまとめたとのこと。締結に至るスピードは驚くほどの速さです。
一連の経緯が我々に示しているのは、自国防衛における「覚悟」ではないでしょうか。
どこの国も、対中国問題は深刻かつ真剣勝負です。インドも国境地帯の紛争で昨年は死者も出て、これまでの「非同盟主義」を転換しつつあります。
日本だけが自国の守りを他国に依存し、選挙でも相変わらず"コロナバラマキ"を前面に押し出し、「票にならないこと」は争点にもなりません。しかし、一番大事なことは何なのか。それを訴えるのが、大川隆法・幸福の科学総裁の製作総指揮・原作による映画「愛国女子─紅武士道」です(来年2月に公開予定)。愛する祖国を護り、アジアの平和にまで責任を持つ日本人となる時です。
「自由・民主・信仰」のために活躍する世界の識者への取材や、YouTube番組「未来編集」の配信を通じ、「自由の創設」のための報道を行っていきたいと考えています。
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