極超音速ミサイルのスクープに続き、英FT紙がNATOトップの「対中脅威論」を一面報道 日本は「亡国の危機」を直視し自国防衛を急げ
2021.10.19
《ニュース》
北大西洋条約機構(NATO)のイェンス・ストルテンベルグ事務総長(ノルウェー出身)が、英紙フィナンシャル・タイムズ紙のインタビューを受け、中国への対応が今後のNATOの使命の一つになるという考えを明らかにしました(19日付)。
《詳細》
ストルテンベルグ氏は、中国は「敵国」ではないとしながらも、同国がサイバー能力や長距離ミサイルなどを通してヨーロッパの安全保障に衝撃を与えていると述べ、こうした脅威からNATO加盟国を護ることは、来たる10年間に向けての新たな方針に十分表記されるだろうと指摘。そして、次のように語りました。
「NATOは北米およびヨーロッパの同盟です。しかしこの地域は、テロリズムやサイバー(攻撃)だけではなく、『中国の台頭』という脅威に面しています。したがって、我々の集団的自衛を考えるということは、それは同時に『中国の台頭にどう対処するか』ということを意味します」
「我々が予見できることは、中国の台頭は我々の安全保障を左右するということであり、もうすでに影響を与えています」
「中国は我々に近づいてきています。我々は彼らを北極圏でも、サイバースペースでも目にし、我々の国家の重要なインフラにかなりの投資をしているところも目撃しています」
さらにストルテンベルグ氏は、中国が進める軍事拡大に関して以下のように具体的に言及しました。
「そして当然、彼らは、全てのNATO加盟国に到達し得る長距離兵器をますます増強しています。彼らは、数多くの大陸間弾道ミサイル(ICBM)用のサイロを建設しているのです」
NATOは今年6月にも、ベルギー・ブリュッセルの本部で行われた首脳会議で、核の軍備拡張などを進める中国の行動は「全体にとっての挑戦」だとして、中国の軍事的脅威に懸念を示す首脳宣言を発表しています。
来年6月にも首脳会談が開催されますが、この時に、向こう10年間の新たな戦略概念を採択する予定。今回のストルテンベルグ氏の発言から、対中戦略を意識した内容となることが予想されます。
《どう見るか》
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