釈量子の志士奮迅 [第89回] - "コロナ不況"に減税で克つ
2020.02.28
幸福実現党 党首
釈量子の志士奮迅
第89回
幸福実現党党首
釈量子
(しゃく・りょうこ)1969年、東京都生まれ。國學院大學文学部史学科卒。大手企業勤務を経て、(宗)幸福の科学に入局。本誌編集部、常務理事などを歴任。2013年7月から幸福実現党党首。
釈量子のブログはこちらでご覧になれます。
"コロナ不況"に減税で克つ
中国発・新型肺炎の感染拡大による、世界経済への影響は甚大です。
2003年に重症急性呼吸器症候群(SARS)が猛威を振るった時に比べ、中国の世界全体のGDPに占める割合は、4%から17%にまで増えています。
そんな中、世界で二番目に感染者の多い国になっている日本(2月17日時点)も、大波をかぶっています。
例えば大和総研は、「感染流行が長期化すれば20年の日本経済はマイナス成長に陥る」との予測を発表。中国からの訪日客数が前年比で400万人減り、製造業や流通業のサプライチェーン(供給網)も寸断されることで、実質成長率が1.0ポイント以上押し下げられるというのです。
何より日本経済にとって不幸だったのは、19年10月に行われた消費税率の引き上げと、ダブルパンチになってしまったことです。
多数の新型肺炎感染者が発生し、横浜港に停泊するクルーズ船。写真:AP/アフロ。
特効薬は「減税」
この被害を最小限に抑えるための特効薬は「減税」です。手本となるのが、アメリカのトランプ政権でしょう。
トランプ大統領は2月4日、三度目となる一般教書演説を行いました。そこでは毎回、重点政策を説明する際に象徴的な一般の米国民をゲストとして議場に招くのですが、今回トップバッターとして招かれたのが、オハイオ州の退役軍人であるトニー・ランキンスさんでした。アフガニスタンでの従軍後、心の問題から麻薬中毒となって何度か刑務所に入り、家族とも離散してしまった苦労人です。
ところがこのトニーさんは、トランプ政権が17年12月から、税制改革の柱として進めた「オポチュニティ・ゾーン条項」によって、地域に進出してきた建設会社に雇われます。新しい仕事のおかげで更生し、家族との再会を果たしたといいます。
トランプ政権は、トニーさんのような貧困層が住む地域を「オポチュニティ・ゾーン」に指定しました。そうした地域を再生するため、「不動産税優遇措置」を行いました。
これは「投資家が、株式を売却するなどして得られたキャピタルゲインを180日以内に、オポチュニティ・ゾーンを開発するファンドに投資すれば、税制で優遇される」といったもの。
その結果、貧困地域の開発が次々と動き出し、雇用が増えていきました。サウスカロライナ州で5400万ドル(約60億円)が投資され、ハイテク街が生まれるなど、恩恵は広く行き渡っています。
日本の「地方創生」は「税を集め、それを再分配する」というバラまき傾向が強いですが、トランプ政権は節税インセンティブを働かせることで、民間の資金を活用しているのです。
日本の主要紙は、一般教書演説の要旨を紹介しましたが、「オポチュニティ・ゾーン」どころか、トランプ政権の「減税政策」自体を、ほとんど紹介しなかったのは残念です。
なおトランプ政権は中間層に、さらなる10%の減税を考えているといいます。
地域活性化に向けて
日本では、新型肺炎の影響で地方のインバウンド消費も減退していくことは確実です。
特効薬としての「消費税率5%への減税」を目指すことを前提としながらも、「オポチュニティ・ゾーン」のような優遇策で地方に富を流していくことも検討すべきです。全国に数カ所、地域活性化のための特区を設け、独自の消費税率を設けるというのも、一つのアイデアでしょう。
幸福実現党は、新型肺炎の被害を食い止めるべく、さまざまな働きかけを行ってまいります。
「党首街宣中にUFO出現!?」と話題に
釈党首が2月、東京・新宿駅前で街頭演説を行った。
新型肺炎について訴えていると、上空にUFOフリート(艦隊)らしきものが出現したという声が複数の読者から寄せられた。
空全体に複数の未確認飛行物体が確認された(写真は読者提供)。
「自由・民主・信仰」のために活躍する世界の識者への取材や、YouTube番組「未来編集」の配信を通じ、「自由の創設」のための報道を行っていきたいと考えています。
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