日銀・黒田バズーカ、次は「一帯一路」を吹き飛ばす!?
2019.05.01
《本記事のポイント》
- 日本が「中国への借金」に苦しむ国に「再建アドバイザー」を派遣
- 日本企業のアフリカでのインフラ建設を後押し
- 「金融戦争」構想を、日銀の黒田総裁の"潜在意識"が語る!?
「打倒・一帯一路」の動きに、日本が本格参戦しようとしている。
政府はこのほど、「中国への借金」に苦しむアフリカ諸国に、財政再建のノウハウを指南する金融の専門家を派遣する方針を決めた(12日付共同通信)。いわば国際版「二宮尊徳」だ。
これは、中国による「国家的なサラ金」への対抗策。「発展途上国を借金漬けにして、港湾などを奪う」ことが問題視されているが、それを未然に防ぐ。
もちろん中国にしてみれば、日本の動きは邪魔に見えるだろう。中国外交部報道官は、「アフリカの債務問題にいいがかりをつけ、中国をおとしめる意図すらあるのだとすれば、アフリカ諸国の共感は得られない」と不快感をあらわにしている。
日本政府は4月に入って、見方によっては"あからさま"な「打倒・一帯一路」の動きを、相次いでとっている。
パナマも中国から引きはがす!?
安倍晋三首相は4月初旬、中米パナマのバレラ大統領と会談。それに先立ち、パナマでのモノレール建設などを決めた。
パナマは「パナマ運河」を抱え、経済的にも軍事的にも要衝の国である。しかし、昨年12月に習近平・中国国家主席が訪問し、「一帯一路」を共同で構築することで合意。鉄道建設の動きを進めるなど、「一帯一路」に同国を呑み込もうとしている。
そこに安倍首相が行き、「インフラ建設は、中国ではなく日本と組みなさい」というメッセージを送ったのだ。
日本企業をアフリカに送り込む
さらに政府は、日本企業がアフリカのインフラ建設に打って出るための環境づくりにも心血を注ぐ。
日本企業がアフリカに進出する最大のネックの一つが、「政情不安」だ。巨額を投じて港湾施設などをつくっても、投資した先の地域が内戦などの混乱状態に陥れば、代金の回収どころではなくなる。
一方、中国企業のバックには、中国政府がついている。倒産する心配は少ない。また、現地の政府が「借金を踏み倒し」ても、「払えないなら港・インフラごともらってしまえ」という発想なので、どんどん契約をとりつけていく。
こうした動きに対抗すべく、日本政府は、日本企業が内戦などで損失を抱えても、「全額保証」されるという大胆な貿易保険をつくる方針だ(30日付日経新聞)。
例えば、アフリカのどこかの国が、日本から「港湾クレーン」を買うとする。もし内戦などの混乱で代金を払えなくなったら、政府系企業である「日本貿易保険(NEXT)」が85%を、「アフリカ貿易保険機構(本部はケニア)」「イスラム開発銀行(本部はサウジアラビア)」が残りの15%を負担する。
日本企業を安心させ、アフリカにどんどん"送り込もう"としているのだ。
黒田バズーカは「打倒・一帯一路」を狙う!?
こうして政府は「金融」「投資」という面で途上国を支援し、中国の「サラ金」の拡大を防ごうとしている。言い換えれば、「円」を途上国に流し込むことで、「一帯一路」を追い出そうとしているのだ。
実はこの「円による金融戦争」の構想が、"円の元締め"から語られている。
大川隆法・幸福の科学総裁は2月、黒田東彦・日銀総裁の守護霊にインタビューを行っている。そこで守護霊は、次のように語っていた。
「 『金融戦争をして、あれ (中国経済) をぶっ潰してやりたいな』っていう気持ちは、あることはあるのよ 」
「 中国マネーで懐柔されかかってるやつを振り払って、日本のほうについてくる国を、やっぱり、周りに増やさないかぎり、この国の未来はないと思うので 」
「(中国マネーで懐柔されかけている国に) 『中国マネーはダーティーだから、もうやめたほうがいい』と。『こちらに乗り換えなさい』と。そういうかたちで、発展させることをもうちょっとやらないと、日本は……。 《中略》 まあ、異次元緩和があっていいなら、そういう『異次元融資』とかいうのもあってもいいかもしれないね、次の第二次、三次、第四次"黒田バズーカ"としては 」
黒田総裁は表向き、中国の「アジアインフラ投資銀行(AIIB)」に理解を示すような発言もしている。しかし、潜在意識においては、中国の覇権拡大に強い不満を持っている可能性が高い。黒田総裁は、アジア開発銀行(ADB)の総裁も務めてきた。中国の荒っぽい途上国支援に、不満がないことはないだろう。
「一帯一路」に対抗する動きを、日銀が表立って見せることはもちろんできない。しかし、有り余った円を途上国に撃ち込み、チャイナマネーを駆逐するお膳立ては、着々と進んでいる(*)。
(*)自民党の二階俊博幹事長が訪中して「一帯一路」への協力を表明するなどしている。これが、「打倒・一帯一路」に失敗した際の保険なのか、中国へのカモフラージュかは不明だが、足並みを乱すようなことにならないよう願いたい。
(馬場光太郎)
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