Expert Interview - トランプ政権は、対中制裁に舵を切る
2018.01.29
2017年12月に東京都内で行われた会議「J‐CPAC」で、「アジアの平和を考える」と題したパネルディスカッションで演説するチャン氏(中央)。
2018年3月号記事
Expert Interview
トランプ政権は、対中制裁に舵を切る
中国の覇権主義的な野望をいち早く見抜き、多数のメディアで危険性を訴えてきた米アジア問題専門家に、今後のトランプ政権の対中政策について聞いた。
(編集部 長華子)
米アジア問題専門家
ゴードン・G.チャン
(Gordon G. Chang)1973年、米コーネル大学卒業。中国・上海の法律事務所勤務を経て、コラムニストに。多数のテレビ番組の他、国家通商会議委員長のピーター・ナヴァロ氏制作のドキュメンタリー「Death by China(中国がもたらす死)」などにも出演。著書に『やがて中国の崩壊がはじまる』(草思社)などがある。
─北朝鮮問題でアメリカは中国と友好関係を築いてきました。
チャン氏(以下、チ) : トランプ大統領は、中国を信頼し、北朝鮮問題の解決を委ねてきました。しかし、昨年6月に「習近平氏には失望した」という趣旨のツイートを出してから、アメリカは様々な手を打ってきました。
北朝鮮の資金洗浄を支援したとして、中国・遼寧省の丹東銀行を制裁対象に指定すると発表したり、米国務省は、世界各国の人身売買の実態に関する年次報告書を作成し、中国を最低レベルに格下げしたりしました。
また、台湾への武器供与を米議会に通知し、インドのモディ大統領と初の首脳会談を行い、米印関係の強化を確認しました。これらはトランプ氏のツイートから8日以内に起きたことです。「北朝鮮に強く出ないなら、中国を困らせよう」ということです。
中国経済の今後は?
朝鮮半島情勢はどう見るか
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