1年半でサブスリーを達成した40代中年男のマラソン奮闘記(2) ハーフマラソンに初挑戦
2017.11.26
しばらく運動から遠ざかっていた40代中年男が、1年半のトレーニングでサブスリーを達成するまでのストーリー(全5回)。2回目の今回は、ハーフマラソンへの挑戦を描く。
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フルマラソン出場を決意して最初に行ったのは、ランニングシューズを買うことだった。
本当はランニングを始める段階で必要だったのだが、できるだけお金をかけずに始めたかったこともあって後回しにしていた。その代償として、すでに左ひざを痛めてしまっていた。
症状的には、5キロを過ぎると左ひざの内側が痛み出すことが多かった。自分で調べたところ、鵞足炎(がそくえん)といわれる腱の炎症か、骨の異常(変形性膝関節症)が怪しかったが、スポーツ整形外科でレントゲンを撮った結果、骨は正常で、鵞足炎でもないという診断を受けた。
マラソンギアのそろえ方
原因はよく分からなかったが、クッション性の高いランニングシューズが必要なのは明らかだ。
シューズは、定評のあるアシックスのGT2000 NEWYORKシリーズに決めた。どうでもよいがアシックスの創業者、鬼塚喜八郎と私は同郷である。ちょうどモデルチェンジの時期で、8,000円程度で買えた。
アシックス社ホームページ より
フルマラソンに向けて本格的にランニングを始めるとなると、シューズ以外にも相応のギア(装備)が必要となる。これが結構あるのだ。
ランニングTシャツ(通気性が高く、夜間走るのなら目立つもの)やランニングショートパンツ、ストップウォッチ付の腕時計、小物が入るウエストポーチ、ランニングタイツ、帽子、サングラス、ジャージ(上下)、冬にはランニンググローブやウインドブレーカーなど。
商品にもよるが、全部揃えるとなると5~10万円ぐらいかかる。一気に投資はできないため、慎重に「自分ルール」を設けた。毎月、100キロの目標走行距離をクリアしたら、自分への「ごほうび」として1つのギアを充実させることにした。
こうして無理なく装備を充実させつつ、マラソンランナーとして徐々に外見をトランスフォームさせていくことになった。
ハーフマラソン出場へ
目標はフルマラソンへの出場だが、まずはハーフマラソン(21.0975キロ)の大会に申し込んだ。
ハーフは、アメリカなどでも市民レースとして定着しているらしい。フルは時間も長く体力の消耗が激しいが、ハーフだと時間も短いし疲労も浅く、翌日の仕事に響かないことが理由だそうだ。
そもそも、ハーフの距離さえ走ることができなければ、フルも完走できない。まずは、ハーフに照準を絞り、その走力をベースにフルに向けて鍛えればよいと考えた。
初ハーフマラソンは、トレーニングをはじめて約半年後の2016年10月下旬、自宅から近い多摩川の河川敷を使った大会に決めた。
参加人数が数百人の小規模のレースだ。申し込むと、「締め切り効果」でいやがうえにも練習に気合いが入る。ハーフを走るからには、一度、練習でも20キロ以上走ってみないといけない。20キロはいまだ経験のない距離なのだから。
そこで、10月初旬に生まれて初めて20キロを走破した。疲れは残したものの1キロあたり5分で走れた。ということは、ハーフマラソンだと1時間45分ぐらいか。本番だとアドレナリンが出るから、1時間40分を目標とした。
なお、400メートルトラック以外で、距離とタイム、ペースを測るにはGPSが必要となる。GPS付時計は、最低2万円以上する高価な装備のため、iPhoneの無料ランニングGPSアプリを使い始めた(今も使っている)。
iPhoneを腕につけて走ると若干の重みを感じ、格好も今一つだが、ワイヤレスイヤホンをbluetoothでつなげると、ランニング中でも英語の勉強ができたり、音楽が聞けたりする。
1時間以上ただ走るのは、社会人にとっては時間がもったいなさすぎる。時間効率的に何か勉強しながら走るのがよい。英語の勉強など、頭を使いながら走ると、余計に糖分が消費されるのでトレーニングの負荷が少し上がる。だが、ペースを上げて走りたい時は、リズミカルな曲に変更する。
ただ、密閉型のイヤホンだと、車や人が近づいてくることに気づかなかったりして危険だ。ある程度、外の音が聞こえる製品を選ぶことを強くお勧めする。
初のハーフマラソンレース
Shutterstock.com
初のハーフマラソンは、多摩川の河川敷を2往復するフラットなコースだ。微風で天候も秋晴れ。コンディションは最高だった。
結果は1時間33分54秒。
目標の1時間40分は切れたが、後半、特にラスト5キロが苦しく、「ハーフでこれだとフルはまだ無理だ」と実感した。もう一度、ハーフを走ることに決めた。次に出場するハーフの大会を2017年2月に開催される「神奈川マラソン」に決め、目標を1時間30分に設定した。
なお、福岡大学スポーツ科学部教授の田中宏暁氏は、著書『ランニングする前に読む本』で、「毎日トレーニングするより2日に1回まとめて2日分をトレーニングし、次の日を休んだ方がよい」という研究結果を紹介している。
すなわち、毎日5キロ走るよりは、2日に1度、10キロ走る方が質の高いトレーニングになるらしい。これは仕事をしながら走り込む市民ランナーにとっては福音だ。
このころから、平日は1日おきに5~10キロ走り、週末に20キロ走を取り入れることにした。雨の日は休んだ。ペースはその日の調子にもよるが、1キロあたり5分~5分20秒程度とした。
走る時間帯は、90%以上、夜だった。仕事を終えて帰宅した後、たいていは21時~22時ころから走り始め、終了するのは23時ころ、日によっては24時を回ることもしばしばあった。仕事上、いつ呼び出しや連絡が入るか分からないため、常に携帯電話をポーチに所持しつつ、距離を重ねていった。
2月の神奈川マラソンまでの月間走行距離は、11月184キロ、12月175キロ、1月150キロとなった。月間走行距離150キロを超えると、当時は結構頑張っている感があった。
特に、元日の朝、22.4キロを走ったことは、今でも心に残っている。(続く)
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