【インタビュー】偽物市場/ゴーストタウン/ゾンビ企業 中国経済の幸せな未来 - 習近平は世界恐慌を防げるか? Part.2

2017.09.29

常に建設中のビルがある北京のビジネス街。

2017年11月号記事

突撃ルポ

偽物市場/ゴーストタウン/ゾンビ企業

中国経済の幸せな未来

習近平は世界恐慌を防げるか?

世界第2位の経済大国と言われる中国。大きなビジネスを展開できる一方で、バブル崩壊が近いともささやかれる。現地を訪れ、中国経済の幸せな未来について考えた。

(編集部 大塚紘子、小林真由美、片岡眞有子)


contents


中国経済の実態について2人の専門家に聞いた。

Interview 評論家 宮崎正弘

誰が対中投資の"ジョーカー"を引くか?

宮崎正弘

(みやざき・まさひろ)1946年、石川県生まれ。早稲田大学中退。中国ウォッチャーとして知られる評論家。「日本学生新聞」編集長、雑誌「浪曼」企画室長、貿易会社経営などを経て現職。著作に『米国混乱の隙に覇権を狙う中国は必ず滅ぼされる』(徳間書店)などがある。

―中国経済をどう見ますか?

宮崎氏(以下、宮) 習近平が就任後の5年間で経済についてやってきたことは不動産投資です。ハイウェイや地下鉄、マンションを次々とつくり、副都心をつくりました。その結果、ゴーストタウンが溢れ、8千万戸の空き家がでています。

なぜそんなに急速につくれるかというと、用地買収の苦労がないからです。地方政府が建設の計画を立てると、デベロッパーが住民を強制的に立ち退かせる。そうやって12年間で2万2千キロもの高速鉄道ができたわけです。一方、日本は50年かけてやっと3千キロです。

百万都市として建設された内モンゴル自治区・オルドス市のカンバシ新区にも行きました。砂漠の真ん中にあり、住民はたったの2万8千人ほどです。

胡錦濤前国家主席も、河北省の唐山市を開発しました。しかし、10兆円かけて9割方完成したところで政権交代となり、計画はストップ。工事途中のまま放置された街では、橋が折れ、ビルは沈み、1階でカニが獲れるビルもあるそうです。

建て続けないと、国が繁栄していることにならないんです。計画経済ですから、経営なんてものは関係ない。とにかく与えられたノルマをこなすだけです。

GDPの3倍近くの借金

こうしたやり方でここまで来た中国ですが、今、窮地に追い込まれています。

地方政府を支える投資会社は中国に1万社ありますが、黒字は3、4社だけ。採算のとれない投資を続けた結果、地方債務は340兆円まで膨れ上がり、中国全体の借金は、米ウォール街の試算で3400兆円。公式発表されたGDP約1200兆円の280%以上もの借金です。

―どう解決するのでしょう?

次ページからのポイント

インタビュー / 宮崎正弘氏

インタビュー / 中国経済の最大の問題は軍事拡張につながること 田村秀男氏

幸せな未来のための解決策は「自由」

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タグ: 田村秀男  著名知識人  2017年11月号記事  中国経済  習近平  自由  世界恐慌  軍事拡張  宮崎正弘 

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