露「2頭体制」下で進む北方四島の実効支配と爆破テロの対応

2011.01.29

昨年末、メドベージェフ大統領が日本領の北方領土に「統一経済圏」や「自由貿易圏」を創設することを日本に提案した。その構想について、27日、ロシア地域発展省のトラブニコフ次官が、第三国の投資を受け入れる可能性もあると発言した。

外交においては強硬的に出てくるロシアではあるが、内政事情は微妙だ。35人の死者を出したモスクワの空港爆破テロの対応策で、「2頭体制」を率いるメドベージェフ大統領とプーチン首相の考え方の違いが表面化している。

首相が報復宣言をしてテロ掃討に意欲を示す一方、大統領は26日のスイス・ダボスでの世界経済フォーラムで、テロ根源要因である貧困や教育の不備の解決に努力すると述べている。トラブニコフ次官が日本に警告したのはその翌日だ。

両者ともに2012年の次期大統領選への立候補の意欲がささやかれるなか、メドベージェフ大統領は経済問題の解決に北方領土を利用して積極的にアピールしているように見られる。

だが、問題は、その北方領土が日本の領土であり、第三国からの投資の受け入れはロシアの実効支配を既成事実化させることにほかならないということだ。日本は、自国の領土は主張しながらも、対中国を考えれば、ロシアとは経済的な協力関係は築くという、うまいかけ引きをしなければならない。(吉)

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