2015年9月号記事

流されるだけの自分でいいの!?

読書で人生は変えられる

家に帰ってとりあえずテレビをつけ、スマホでメールや SNSをチェック。そうこうするうちに夜も更けて、気がつけば朝が近い。あぁなぜ、時間は、砂時計のようにサーッと流れていくのだろう……。そんな時間を読書にあてることができたら、あなたの人生は劇的に変わるかもしれません。

(編集部 大塚紘子、山本泉)

「このままでは、日本は国際社会で生き残れない」

大手企業の人材育成研修などで講師を務める真藤孝一氏は、最近こうした危機感を感じると言います。その理由は、特に新人・若手研修などで感じる変化。

「返事が『まじで?』『やばい』『一応』『知りません』『教わっていません』ばかりで、語彙が少ない若者が増えています。そのために、会話のキャッチボールがなかなか続かないんです」

なぜそのような人が増えてしまったのでしょうか。

「明らかに本や新聞をほとんど読まない人が多くなりました。だから語彙が少なく、多面的・根本的な思索が深まりにくい。また、本を読んで良質な情報を得ないと、自分の頭で考えられるようになりません。

この人たちが海外のパワフルなエリートと勝負するのかと思うと、危機感を覚えざるを得ないんです」

本を読まない人が増えていることは、国力も落としかねないゆゆしき問題です。

読書が減っている主な原因はスマホとパソコン

真藤氏によると、読書量が減っている原因の一つはスマホやパソコンの多用。中でも、LINEやゲーム、ネットサーフィンが時間を奪っていると言います。

「研修の休憩時間にも、周囲の研修生とほとんど会話をせず、スマホをずっと見ている人が増えています。仕事にも悪影響があります。夜遅くまでLINEやゲームをしていて、昼間の集中力が落ちているのです」

実際、年々読書人口は減っています(下グラフ)。ただ、多くの人にとって、「読書は大切だと分かっていても、なかなか本を読めない」というのが本音かもしれません。

そこで、読書の価値や読書を続ける工夫について、インタビューや体験談を集めてみました。

特に40代以下で、1カ月に本を1冊も読まない人が増えている

1カ月に本を1冊も読まない人が増えている

(備考)2002年度調査は、「読まない」以外の選択肢が他の年度と異なっているため「1冊以上」とした。
(出典)文化庁による2013年度「国語に関する世論調査」より

次ページからのポイント

インタビュー/吉田裕子氏

インタビュー/一条真也氏

みんなの読書のひと工夫