UFO後進国

6月24日は世界的な「UFOの日」。これは、1947年6月24日に米ワシントン州で、実業家のケネス・アーノルドが不思議な物体を目撃。「空飛ぶ円盤のようだ」と表現したことから、「フライング・ソーサー」との呼び方が定着したことにちなんでいる。

UFOや宇宙人について、日本では「マニアの話題」という扱いも多いが、アメリカをはじめとする海外では、安全保障の観点からも真剣に議論されている。

アメリカの未来学者・スタン・シャット博士がこのほど、人類と宇宙人が初めて大々的に接触した時の地球に与える影響を考察した書籍『Extraterrestrial First Contact(宇宙人とのファースト・コンタクト)』を出版した。シャット博士は、主に未来のテクノロジーや市場の予測などに関する書籍を多く著し、東京大学にフルブライトの招聘教授として招かれたこともある。

同書では、UFOや宇宙人に関する数多くの文献を紹介しつつ、人類がすでに古代に宇宙人とコンタクトしていた可能性や、アメリカ政府による宇宙人関連の情報のコントロールについて論じる。そして、人類と宇宙人が大々的にコンタクトを果たした後の、世界の宗教や平和、政治、経済、科学、メディアに与える影響を予測する。宇宙人と接触する際には、地球代表として国連のような国際的機関が必要だという指摘もある。

シャット博士と似た考えを持つ人は他にもおり、デンマーク人など欧州の人々が製作したドキュメンタリー「The Visit(訪問)」が、アメリカのサンダンス映画祭や、イギリスのシェフィールド国際ドキュメンタリー映画祭で上映されている。これは、「宇宙人が地球に来たら、どう対応するか」について、国連宇宙局やNASA、国防省などにインタビューしたものだ。

またシャット博士は、人類と宇宙人とのファースト・コンタクトが世界経済に与える影響として、当初は混乱を避けるために株式市場を閉鎖するかもしれないが、その後、宇宙人のもたらす技術やエネルギー技術への影響は計り知れないものになるだろうと指摘する。

実際、2013年の世界経済フォーラム(ダボス会議)の分科会でも同様の話題が出ていた。未知の要素の1つとして、「宇宙人の存在が国家や企業に与える影響」についての議論があり、ハフィントン・ポストなどが報じている。ダボス会議のウェブサイトは、知的生命体の存在は、人類の哲学や宗教を揺るがすことになるだろうと報告している。

それは例えば、現れた宇宙人が人間とは異なる姿をしていた場合、「神は自分のかたちに似せて人を創造された」という旧約聖書の内容が揺らぐ可能性があり、シャット博士によると、現在、キリスト教各宗派は様々な説明を用意して宇宙人の出現に備えているという。

ちなみにシャット博士自身は、人類は宇宙からもたらされた可能性があると考えており、残念ながらその考え方の基礎は進化論にあるようだ。この部分は、今後、既成宗教への挑戦となるかもしれない。しかし、宇宙の生命の起源は「神の領域」である。

この議論は置いておくとしても、何億年もの時間の中で宇宙が進化してきたならば、地球より進化した宇宙人がいないと主張することには無理がある。

宇宙人とのファースト・コンタクトは、SF(サイエンス・フィクション、空想科学)ではなく、現実の問題として想定しておくべきだ。少なくとも、海外では現実に起こり得る問題として想定している事実を、日本人は知らなければいけない。(純)

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