米アルバータ大学医歯学部のロバート・フェラーリ教授が、「慢性的な腰痛を抱えている人が痛みに関する日記をつけると、つけない人に比べて回復が遅くなる」という研究結果を発表した。その論文がこのほど、「サイエンス・デイリー」などのネットニュースで取り上げられ、注目されている。

実験では、腰部挫傷(ぎっくり腰)の患者58人を2つに分け、一方には、4週間に渡って痛みを10段階で評価し、その症状を日記につけるよう依頼した。もう一方には、比較のために何も依頼しなかった。

その3カ月後に回復状況を確認したところ、日記をつけていた人のうち52%が全快したが、日記をつけていなかった人は79%も全快した。日記をつけない方が、回復が明らかに早いという結果が出た。

フェラーリ教授は、病院内で行うケアのうち、回復に対してこれほど有意な差が生じるものはないと指摘している。痛みを繰り返し思い出すことが、症状を長引かせることを示唆する研究結果と言えるだろう。

こうした、「病気の自分」に意識を集中させることの問題について、大川隆法・幸福の科学総裁は次のように指摘している。

「病気のほうにフォーカス(集中)していくと、『悪くなって死んでいく』という図しか見えなくなってきます。そして、悲劇のヒーローやヒロインになって、周りの人を泣かせるような"映画"を、自分で一生懸命につくってしまうのです」

「『現在ただいま、病気をしている自分でありながら、それでも世の中のため、あるいは、利他のために、何か少しでもお役に立つようなことはできないか』ということに、できるだけ心のなかの思いを集中していってほしいのです」

(『ザ・ヒーリングパワー』(幸福の科学出版刊)に収録)

人間は、物理的な肉体と魂の二つが、重なりあう形で存在している。魂は肉体の死後も存在し続ける永遠の生命であり、魂の中心にあるのが心だ。心に怒りや憎しみなどの暗い想念を持ち続けると、まず魂に影ができ、その後、肉体にも病変ができてしまう。逆に、心を変えることによって、肉体をよい方向にも作り変えることができるのだ。

こうした法則を踏まえると、病気を治すためには、治療とともに病気の原因となった心のあり方にこそ目を向ける必要がありそうだ。自分の心配ごとから自由になり、ほかの人を幸福にできる未来の自分を思い描くことが、意外な癒しの力につながるのかもしれない。(居)

【関連書籍】

幸福の科学出版 『ザ・ヒーリングパワー 病気はこうして治る』 大川隆法著

http://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1224

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