2015年4月号記事

interview

「幸福の科学大学」不認可問題

文科相の判断は憲法違反である

4月に開学を目指していた幸福の科学大学に、文部科学省が「不認可」を突きつけた。この判断に各界から疑問の声が上がっている。教育論、国家論、哲学をはじめ幅広い分野で 言論活動を行っている小浜逸郎氏に、幸福の科学大学不認可問題について聞いた。

(聞き手 編集部 小川佳世子)

批評家

小浜 逸郎

(こはま・いつお)1947年横浜市生まれ。横浜国立大学工学部卒。国士舘大学客員教授。家族論、教育論、思想、哲学など幅広く言論活動を展開している。著書に『「弱者」とはだれか』『「責任」はだれにあるのか』(PHP新書)など多数。

――幸福の科学大学不認可について、どのようにお考えですか。

小浜(以下、小) : あくまでも法治国家の住人である一人の自由な言論家の意見であり、幸福の科学を擁護するための発言ではないことを断っておきますが、不認可は法治国家の原則から外れた判断だと感じました。

不認可の理由の第一番目に、「創立者である大川隆法氏の著作に、霊言を科学的根拠として取り扱う旨の記述があり、これを必修科目で扱うことは、科学的方法の基本である、実証可能性や反証可能性に抵触する疑いがある」という点が挙げられていました。

このような理由をつけて、宗教教育を行おうとする試みを国家が阻止することは、憲法で保障された「信教の自由」「学問の自由」に抵触しており、許されないことだと思います。

さまざまな背景があるのかもしれませんが、日本は、思想や信条、学問の自由が保障されている法治国家ですから、この原則を曲げるべきではありません。

天理大学や創価大学といった宗教系大学もあるわけですし、幸福の科学だけ宗教教育が認められない理由も見当たりません。

文科相は行政府の長として、こうした憲法違反の判断をすべきではないでしょう。

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