朝日新聞社の慰安婦報道を検証していた第三者委員会は22日、都内で記者会見を開き、報道の検証結果をまとめた報告書を公表した。
報告書では、戦時中に朝鮮人女性の強制連行があったと証言した、吉田清治氏の記事の裏付け取材を怠るなど、朝日新聞の報道姿勢を「ジャーナリズムのあり方として非難されるべき」と指摘。8月に掲載した検証記事については、「自己弁護の姿勢が目立ち、謙虚な姿勢が示されなかった」と批判した。
また、吉田証言の記事を取り消す際に木村伊量前社長が紙面で謝罪することに反対したこと、慰安婦報道の検証記事について批判的なスタンスの池上彰さんの連載コラムを見送ったことについても問題視した。
さらに本報告書で注目すべき点は、朝日新聞が慰安婦について、軍による直接的な強制連行を意味する「狭義の強制性」を前提として記事を作成しておきながら、その証拠がないと、本人の意思に反していたという「広義の強制性」を強調し始めたことに言及した点だ。
当時は貧困などを理由に、本人の意思に反して慰安婦になるケースもあった。また、一部の悪徳業者がだましてつれてきたケースもあったといわれる。ただ、こうしたことまで「広い意味で言えば、強制性があった」として日本軍のせいにされてはたまらない。
報告書では、「『狭義の強制性』を大々的に、率先して報道してきたのは朝日新聞」「議論のすりかえ」と断じた。
会見前に報告書を受け取った渡辺雅隆社長は、「信頼を損ねてしまっただけでなく、新聞報道全体への信認も傷つけてしまった」「報道機関として、あってはならない事態を招いたことは痛恨の極み」と謝罪したものの、自社の慰安婦報道で、「広義の強制性」に論点のすり替えが行われたことについて言及はなかった。
慰安婦問題を考える際の最大の論点は、日本軍による直接的な慰安婦の強制連行があったかどうかだ。現在のところ、軍が慰安婦の強制連行を行ったという一次資料は一切存在していない。
慰安婦の強制連行について、朝日新聞の謝罪のポイントがずれており、不十分であるのは見逃してはいけない。朝日新聞は軍による慰安婦の強制連行はなかったことを明らかにして明確に謝罪し、失われた日本の誇り、日本人の愛国心を取り戻さなければならない。(冨)
【関連書籍】
幸福の科学出版 『神に誓って「従軍慰安婦」は実在したか』 大川隆法著
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2014年11月1日付本欄 米国の著名ジャーナリストが「慰安婦問題は日本叩き」