傷害事件で下半身麻痺におちいった患者の脊髄に鼻の神経細胞を移植し、再び歩行できるようになったとする研究論文が、このほど学術誌「細胞移植(Cell Transplantation)」に掲載された(22日付AFP電子版)。

ポーランド・ヴロスラフ大学やイギリス・ロンドン大学などからなる研究チームは、男性の鼻の、においの情報処理をつかさどる「嗅神経鞘細胞」と呼ばれる神経細胞と、かかとから採取した神経細胞を、脊髄の欠損部分に移植。患者のポーランド人男性は2010年に背中をナイフで刺され下半身麻痺になり、2年間の理学療法を受けても回復の兆しが見られなかったが、移植を受けた3カ月後には左腿に筋肉がつき、今では補助器具を使っての歩行が可能になったという。