8月30日付大手6紙の朝刊の一面記事を読み比べてみる。6紙とも取り上げたテーマが異なっており、各紙の性格や主張の方向性がよく表れている。
「全面撤退」強く否定 「第二原発への避難正しい」(読売)
福島第一原発事故で、政府の事故調査・検証委員会によって吉田昌郎元所長から聴取した記録の全容が明らかになった。吉田氏は所員が福島第二原発に避難したことを正しい判断だったと証言し、事故時に東電が「全面撤退」を検討したという事実を強く否定した。
ヘイトスピーチ対処勧告 国連委日本に法規制促す(朝日)
国連人種差別撤廃委員会は、日本政府に対して、ヘイトスピーチ問題に「毅然と対処」し、法律で規制するように勧告する「最終見解」を公表した。慰安婦問題についても、被害者への調査や謝罪を求めた。
サンフランシスコに新たな慰安婦像計画(産経)
カリフォリニア州サンフランシスコ市で中国系住民らが慰安婦像の設置計画を始動したことが明らかになった。これまでアメリカ国内の慰安婦像や碑は韓国系が推進してきたが、この計画が実現すれば中国系による初の慰安婦像設置となる。
インドでタタと水処理 パナソニックが装置(日経)
パナソニックがインド最大財閥のタタグループと地下水から有害物質を効率的に取り除く装置を共同開発する。18年度までの事業化が目標。パナソニックは水ビジネスを新規事業に掲げており、同分野で初の海外進出となる。
石破氏、地方相軸に調整 政調会長稲田氏有力(毎日)
内閣改造・自民党役員人事をめぐり、自民党の安倍晋三首相は石破茂幹事長と首相官邸で会談。会談後、石破氏は安全保障法制担当相への就任は固辞したものの、他ポストでの入閣要請を受け入れる考えを明言した。地方創生担当相への起用を軸に調整が進む見通し。
武器調達で膨張 5兆円(東京)
防衛省が2015年度の予算概算要求を発表。総額5兆545億円で過去最高。垂直離着陸輸送機オスプレイをはじめ、質量とも従来をしのぐ防衛装備品が盛り込まれた。防衛省は、まとめ買いの予算を確保できるよう特例的な法整備も検討している。
注目したいのは、読売新聞の一面記事だ。5月20日付朝刊で朝日新聞は、吉田所長の指示に反して所員が第二原発へ避難したと報道。しかし読売新聞は事実と異なると報じた。読売新聞は計6ページにわたって、吉田調書に関する記事を取り扱っている。
一方の朝日新聞が一面で伝えている、慰安婦問題に関して国連委が日本政府に調査を促したという件は、もとをただせば、吉田清治氏の「慰安婦の強制連行があった」という嘘の証言を同紙が13回も取り上げたことが原因だ。同氏は慰安婦問題に関する報道の誤りを一部認めたものの、強制連行があった事実は否定出来ないとして、国民に謝罪をしていない。
朝日新聞は間違った報道で国民の知る権利を奪っている自覚があるのだろうか。(冨)
【関連記事】
2014年10月号記事 従軍慰安婦報道 朝日新聞は誤報の責任を取り国民に謝罪を - The Liberty Opinion 2
http://the-liberty.com/article.php?item_id=8314
2014年8月19日付本欄 【各紙拾い読み】 吉田調書で産経vs朝日が再び
http://the-liberty.com/article.php?item_id=8293
2014年8月1日付本欄 福島原発の職員9割退避は「誤報」 「東電悪玉論」の朝日新聞