(1)203mm自走りゅう弾砲

(2)99式自走155mmりゅう弾砲

(3)155mmりゅう弾砲(FH70)

(4)戦闘ヘリコプター(AH―1S )

(5)輸送ヘリコプター(CH―47)と展開する高機動車

(6)74式戦車

(7)90式戦車

(8)砲弾を発射する90式戦車

(9)10式戦車

(10)戦車の上空に煙幕が張られ、フィナーレを迎える

陸上自衛隊の最大の演習である「富士総合火力演習」が、静岡県御殿場市にある東富士演習場で行われる。19日、21日、23日の3日間の予行演習を経て、24日に本番を迎える。筆者は、21日に行われた演習の見学に参加した。

早朝にバスで東京を出て、静岡のJR御殿場駅に降り立った筆者は、再びシャトルバスで20分ほど揺られ、演習場に到着した。

同演習は1961年から実施され、66年から一般公開を始めた歴史ある演習。戦車や攻撃ヘリコプターなどから放たれる実弾射撃は迫力十分で、筆者の目の前に座っていた高齢の女性は、「90式戦車」の発射音が鳴るたびに両手を挙げて驚き、イスから崩れ落ちそうになっていた。近くにいた子供も、耳栓をして保護。100~200m先で射撃される音は、それほどまでに凄まじく、落雷を超えるような爆音が2時間続いた。

この演習には、老若男女を問わず、約3万人が集まったが、その背景には、東日本大震災の支援で活躍した自衛隊や、戦車を扱ったアニメ「ガールズ&パンツァー(ガルパン)」などの人気があるだろう。今回、一般参加者の抽選倍率は、過去最高の24倍を記録。帰りのバスでは、すぐに長蛇の列ができあがり、筆者も炎天下で40分ほど待たされた。

演習プログラムは、前後半の2部構成。前半は「陸上自衛隊の主要装備の紹介」、後半は、12年より取り入れられた、離島防衛を再現した「島嶼(とうしょ)部に対する攻撃への対応」となっていた。演習規模は、人員約2300人、戦車・装甲車約80両、各種火砲約60門、航空機約20機、その他車両約600両という陣容で、演習終了後には、使用した車両の見学も行われた。

最近は、集団的自衛権の行使容認をめぐって、自衛権のあり方が注目されている。

左翼系の政党やマスコミなどは、「自衛隊の軍隊化」と懸念している向きがあるが、こうした懸念は筋違いだ。尖閣諸島を含む約7000の島々からなる日本を守り抜くには、自衛隊の軍隊化はむしろ歓迎すべきこと。中国の軍拡が急速に進む中、自衛隊の運用に差支えがある現行憲法の改正が急務となっている。

今回の演習を見た筆者は、日本を守り抜くという自衛隊の「覚悟」を感じた。多くの人に自衛隊の気概と国防の大切さを知ってもらいたい。 なお、すでに抽選は終了しているが、演習本番の様子は動画サイト「U stream」でライブ配信される。(山本慧)

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