松江市教育委員会が小中学校に要請していた、漫画「はだしのゲン」の図書館における閲覧制限が撤回された。同作品に関し、教育委員会事務局は今年はじめ校長会で、閲覧には教員の許可が要るという閉架措置を要請していた。しかし、マスコミが大きく報じたこともあって、26日に開かれた市教育委員の臨時会議で、この要請は「手続きに不備がある」として撤回された。

「はだしのゲン」が閉架要請を受けた背景には、この漫画が発している過度に左翼的な歴史認識と、過激な描写がある。同作品は故中沢啓治氏による反戦漫画で、主人公の中岡ゲンの、原爆被害など戦争体験を描いたものだ。物語の前半は「少年ジャンプ」に掲載され、後半部分は共産党系機関紙や日教組機関紙に掲載された。

松江市の市民が昨年8月、市議会に図書館からの作品撤去を陳情したことが、閲覧制限の発端だ。「反天皇」や「君が代批判」などの左翼的メッセージが「子供たちに誤った歴史認識を植え付ける」というのが陳情の理由だった。しかし市議会は、「(同作品を)図書館に置くべきか否かを判断するべきでない」として、この陳情を取り上げなかった。

市民の陳情は採択されなかったが、その後の市議会の中で、作品中の「日本兵がアジア人の首を刀で切り落とし、妊婦の腹を切り裂いて赤ん坊を引っ張り出し、女性に乱暴して殺害する」というシーンが史実かどうか疑う声も出てきた。

作品中では、これらがあたかも日本軍全体の方針のように描いているが、そのような事実はない。こうした経緯のなかで、教育委員会の幹部が判断し、各校に閲覧制限を要請したのだ。

これに対して閲覧制限に反対した人たちの理由は、「子供の知る権利を守る」ためだという。それならば、子供たちの「正しいことを知る権利」のためにも、こうした作品の扱いには慎重であるべきだろう。

「はだしのゲン」にこのような過激な描写が出てきた背景には、掲載した機関紙の母体が共産党や日教組であったことがあるのは容易に想像がつく。南京大虐殺などで、中国側が主張する「日本軍の残虐行為」をそのまま描写したものだろうが、南京大虐殺が「ねつ造」であることはすでに明らかになっている。

同作品の思想的偏りや描写の過激さを考えれば、閲覧制限は教育的配慮として自然な対応とも言える。また、閲覧制限といっても、今回要請された「閉架措置」というのは、「閲覧禁止」ではない。生徒が閲覧する際には教員の許可を義務付けようとする措置に過ぎないのだから、子供たちの「知る権利」を奪っているというのは大げさだ。

むしろ小学生に過激な描写を見せることが教育なのか、疑問だ。どうしても「閲覧制限は許さない」というなら、この「ねつ造」部分の過激な描写に関しては削除するなどの措置も必要だろう。

子供たちに、ありもしない旧日本軍の残虐さを伝えて自虐史観を植えつけるのは、もうやめてほしいものだ。(光)

【関連書籍】

幸福の科学出版 『従軍慰安婦問題と南京大虐殺は本当か?』 大川隆法著

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