23日に投開票された東京都議選では、自民・公明両党が全員当選の完勝で計82議席を獲得し、過半数を確保した。7月に迫る参院選の前哨戦と位置づけられる今回の都議選で、安倍自民党は経済政策の成功を強調し、有権者の評価を得た。

今回の結果を受けて、自民党の「独り勝ち」の流れが一層強まったと言える。2009年の前回、政権交代ブームを受けて第1党に躍進した民主党は、今回は公明、共産に次ぐ第4党に転落する惨敗。菅直人元首相のお膝下でも、現職が自民党の新人に敗れた。

日本維新の会も、前都知事である石原慎太郎・共同代表の地元ながら大惨敗を喫し、34人を擁立して2勝32敗に終わった。橋下徹・共同代表の慰安婦問題に関する発言の影響が尾を引いた形だ。現在のところ両共同代表ともに辞任の意向はないが、「これでは参院選を戦えない」という党内の悲鳴を背景に、責任問題へと発展する可能性は捨てきれない。立党から1年を待たずに、早くも党の存続さえ危ぶまれる事態となっている。

民主党は今回、「安倍政権の経済政策で、社会保障や年金生活者が置き去りにされている」などと訴えたが、景気回復を否定するかのような主張は空虚に響いた。アベノミクスの成果を否定するよりも、むしろ必要なのは、安倍政権の不十分な点を補い、さらなる経済成長を目指す政党だろう。

異次元金融緩和による株高に牽引されて実体経済も改善してきているが、安倍政権の打ち出した「成長戦略」を市場は不十分と判定している。法人税減税や規制緩和など、魅力的なプランに乏しいからだ。来年に控える消費税増税が景気に及ぼす悪影響も、不安材料だろう。

その点で幸福実現党は、消費増税中止や、大規模な減税、建築基準などの規制緩和、官民一体となった100兆円規模の投資による交通革命や未来産業の育成などを訴えており、アベノミクスを超える経済成長を目指している。また、批判を恐れる安倍政権が憲法96条の先行改正に及び腰になる中で、真っ向から憲法9条改正と国防強化を訴えているのも同党だ。幸福実現党は、安倍政権の進める政策の流れを受けつつも、それをさらに加速させて豊かで強い国をつくることを目指していると言える。

都議選での自民・公明両党の圧勝を受けて、「独り勝ちでいいのか」という批判も有権者の間で出てくるのかもしれない。しかしそこで選択すべきは、安倍政権の成果を頭ごなしに否定する左派勢力ではなく、日本をさらに豊かで強い国へと一歩進めることのできる政党だろう。失われた20年の経済不振を挽回した上でさらなる経済成長を実現し、中国や北朝鮮の国防の脅威に真剣に対応することがこの国にとっての焦眉の急だからだ。

参院選での、国民の判断が待たれる。

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