2013年6月号記事

バブルでこそ日本は甦る

株価10万円も夢じゃない

アベノミクスで、日本は20年不況からの脱却に舵を切ったかに見えるが、株高に対して「バブル」という批判が早くもはじまりつつある。バブル景気の検証を通じて、日本経済が再浮上する道を探る。

昨年の衆院解散決定時から、株価はうなぎ上り。黒田東彦総裁の就任で新体制となった日銀が大規模な金融緩和を発表すると、翌4月5日の日経平均は、4年7カ月ぶりの1万3千円台に乗った。アベノミクスへの期待感からマネーが株式投資に動き、東京株式市場は大フィーバーしている。

重要なのは、アベノミクスの具体的な政策はまだ一つも実施されていないということだ。いわゆる「三本の矢」(大胆な金融緩和、公共事業などの財政出動、産業競争力の強化などの成長戦略)から成るアベノミクスは、現在のところ、「第一の矢」である金融緩和を日銀が発表しただけの段階にすぎない。にもかかわらず 景気回復が始まっているのは、「景気の気は気分の気」と言うように、「経済は人々の期待によって動く」という法則を、よく表している。