2013年6月号記事

口ベタなあなたにもできる説得力の高め方

「もっと説得力があったらいいのに」。営業で十分な成果が上がらなかったり、ビジネスの交渉で失敗したりした時などは、思わずこう嘆くことも多いだろう。中には、「私は口ベタだから」「向いていないから」などと諦めてしまう人もいるかもしれない。しかし、説得力は、決して生まれつきのものではなく、誰でも高めることができる。そのための方法を探ってみた。

(構成 村上俊樹/取材・文 河本晴恵、居島有希)

鈴木敏文氏と言えば、日本でセブン‐イレブンを創業したことで有名だ。

当時、鈴木氏は、多くの役員が反対するなか、コンビニ事業の成功を確信し、周囲の説得を続け、グループの創業者である伊藤雅俊氏をも説得し、見事セブン‐イレブンを立ち上げた。まだ世の中に存在しない業態がいかに有望なものかを説得できたのだから、相当なものだ。

実はその鈴木氏は、子供の頃は「あがり症で人見知り」だった。中学受験や新聞社の入社試験では、筆記試験は合格したのに、面接試験で不合格になっている。今でも初対面の人とは雑談するのも苦手だという。

また、テレビショッピングでおなじみの「ジャパネットたかた」の名物社長、高田明氏。自らテレビやラジオなどに出演し、独特の甲高い声で情熱的に商品の魅力を語る、その説得力はプロ中のプロと言えるだけの迫力に満ちている。

しかし、その高田氏も普段は「口ベタで人見知り」だという。取材を受けると、「テレビ出演の様子と全く印象が違う」と驚かれてしまうらしい。

この2人の事例から分かるように、説得力がある人は決して、「社交的」で「おしゃべり」とは限らない。実際は、「人見知り」だったり「口ベタ」だったりするケースは多い。つまり、説得力は生まれつき決まるわけではなく、誰でも高めることができるということだ。

それでは、説得力の高い人々に共通するポイントとは何なのだろうか。どう努力していけばよいのか。

口ベタでも成功した人たちの事例から、説得力を高める秘訣を学んでみてほしい。