韓国の尹炳世(ユン・ビョンセ)外相は24日、北京で中国の王毅外相らと会談した。両外相は、北朝鮮の核問題を協議するためのホットラインの開設に合意し、「戦略的疎通」を強化することで一致した。

中国はこれまで、北朝鮮に配慮して韓国との関係強化は経済分野を優先してきたが、政治分野にも拡大させる。ケリー米国務長官が中韓を訪問して北朝鮮問題を協議したこともあり、尹外相は、今回の中韓ホットラインの開設が米中韓の協力関係をさらに強化する契機になるとの見方も示した。

ここのところ、韓国は中国にすり寄るばかりだ。朴槿恵(パク・クンヘ)大統領は、「米中2大国間のバランサーを目指す」として、来月上旬の訪米後、2番目に中国を訪問する。従来、韓国の大統領は訪米後に訪日することが通例だったため、今回の決定からは、韓国新政権の中国重視の姿勢がうかがえる。

中国と韓国はただでさえ歴史問題での"抗日"姿勢で一致しているが、今回のホットラインの開設によって政治分野での関係がいっそう強化されるだろう。このままではいずれ、韓国が中国の影響下に入ってしまう可能性も否めない。

中韓の"蜜月"ぶりの一方で、韓国と日本の関係は悪化している。靖国神社の春季例大祭で安倍晋三首相が真榊を奉納し、閣僚や国会議員が参拝したことに対し、韓国は反発を強め、今週末に予定していた尹外相の訪日を取りやめた。23日の国会質疑で、安倍首相が、「(靖国問題について)いかなる脅かしにも屈しない」と発言したことを受け、朴大統領は24日、「(日本の)右傾化は北東アジアのみならずアジア全体との関係を難しくし、日本にも望ましい方向ではない。慎重に考えてほしい」と述べている。

朴大統領は、大学在学時に中国語を学び、中国語で取材を受けられるほどの語学力を持つことから、中国では「知中派」として紹介されている。だが、朴大統領が本当の意味で中国を「知っている」のであれば、韓国が国家の存続のために組むべき相手は、中華帝国を再興しようと軍事拡張を行なっている中国ではなく、自由と民主主義を重んずるアメリカであり、日本であると認識すべきだろう。(飯)

【関連記事】

2013年4月22日付本欄 閣僚の靖国参拝 韓国外相が訪日取りやめ 歴史問題で屈してはいけない

http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=5912

2013年4月17日付本欄 韓国で竹島ツアー計画 親北・親中路線は属国化を招く

http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=5894