北朝鮮が弾道ミサイル発射の動きを見せているのに対して、小野寺五典防衛相は7日、ミサイル防衛システムによる迎撃破壊措置命令を発令したと、各紙が報道している。

北朝鮮は4日に中距離弾道弾ミサイル「ムスダン」を日本海側に移動。韓国大統領府の金章洙(キムジャンス)国家安保室長は、北朝鮮が今月10日前後にミサイルを発射する可能性があると述べている。

これを受けて、在韓米軍のサマーン司令官は米ワシントン行きを中止し、韓国の鄭承兆(チョンスンジョ)合同参謀本部議長も、訪米を延期すると発表した。

公式には発表されていないが、小野寺防衛相のミサイル迎撃命令も、こういった流れを受けてのものだと思われる。

今回の破壊措置命令について、過去3回の命令と異なり、政府からの正式な発表がないことに関して、「軍事行動の透明性が保てず、国民に対する説明が十分にされていない」と疑問視する報道もある。

しかし、過去3回の破壊措置命令と今回の破壊措置命令は出された状況が全く異なる。

2009年3月と昨年3月、12月の破壊措置命令は、北朝鮮がミサイル発射実験を行うさいに「衛星発射実験をする」と公表したことに対する対応であった。

それに対して今回は、北朝鮮が3月に朝鮮戦争の休戦協定を白紙に戻すと宣言し、韓国、日本、アメリカ本土への攻撃を示唆、何の説明もなく中距離弾道弾ミサイルが日本海側に移動している状況である。

2010年、突如韓国の延坪島(ヨンピョンド)を砲撃した北朝鮮が不穏な動きを見せている現在、自国の国民を守れるよう、最大限の準備を行うことは政府として当然の行動である。

日本政府だけでなく、日本のマスコミにも国家の独立と国民の生命を守る"良識"を身につけることが求められているのではないだろうか。

(伊藤希望)

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