日本政府は、航空自衛隊に導入する予定の第5世代戦闘機、F35の共同生産に日本企業が参加することを、武器輸出三原則の例外として1日、認めた。2日付各紙が報じた。

武器輸出三原則は1967年、佐藤内閣が首相答弁で(1)共産圏諸国(2)国連決議が武器輸出を禁止した国(3)国際紛争当事国への武器の輸出を禁止する――としたことに基づく。この後、1976年に三木内閣が政府統一見解として、(1)~(3)以外の地域への武器輸出も禁ずると決め、全面禁輸となった。その後、武器輸出が必要となった際は、政府は適宜「例外」を設けて対応してきた。1983年にはアメリカ向け武器輸出供与を、2006年にはインドネシアへの巡視船艇の輸出を例外としている。

今回の例外は、国内の防衛産業の技術継承のために認めるという。日本の防衛産業の企業は受注量の少なさから撤退を余儀なくされ、減少の一途にある。ジャーナリストの桜林美佐氏によると、ある会社では当初聞いていた戦車の発注数が年間30両だったため新しく工場を作ったところ、防衛予算が削られたため13両に減って大打撃を受けた。政府関係者は今回、日本の防衛産業の受注量を増やすためにも「(他国との)共同開発・生産の機会を増やすしかない」と主張している。

日本は日米同盟に守られてきたが、アメリカは財政削減に迫られ、軍事予算を減らさざるを得ない状況にある。アメリカの核の傘がいつまでも守ってくれる保証はない以上、日本は主権国家として当たり前の自主防衛体制を持つ必要がある。国内の防衛産業を育てる必要があるのも、そのために他ならない。

F35は紛争地域の1つであるイスラエルにも納入される。これが武器輸出三原則の「国際紛争の助長回避」という文言に反するとして、今回の例外化が「三原則を空洞化させる」という反対の声もある。確かに国際紛争を減らす努力は重要だが、政府が自国の国民の生命や財産を守ることは、主権国家としてはるかに優先される。「三原則守って防衛産業滅ぶ」、ひいては国が滅ぶことのないよう、米国頼みの国防を前提とした武器輸出三原則は見直すべき時期に来ている。(居)

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2011年12月28日付本欄 武器輸出緩和は国防上も当然だ

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