2013年4月号記事
ワシントン発
ワシントン発
バランス・オブ・パワーで読み解く
伊藤貫のワールド・ウォッチ
(いとう・かん)
国際政治アナリスト。1953年生まれ。東京大学経済学部卒。米コーネル大学でアメリカ政治史・国際関係論を学び、ビジネス・コンサルティング会社で国際政治・金融アナリストとして勤務。著書は『中国の核戦力に日本は屈服する』(小学館)、『自滅するアメリカ帝国』(文春新書)など。
国際政治はバランス・オブ・パワー(勢力均衡)から逃れることはできない。アメリカの退潮、中国の台頭、北朝鮮の核武装──。日本の置かれた立場は確実に不利に傾いている。日本が主体的にパワー・バランスをつくり出すために、国際情勢をどう読み解けばいいのか。
第11回
オバマ2期目は非介入主義になる
──第二次オバマ政権の外交政策が「弱腰で消極的だ」と批判されています。
オバマは、シリア、リビア、マリ等の内戦に軍事介入するのを避けていること、そして「来年、米軍はアフガニスタンから完全撤退するかもしれない」と述べていること等の理由で、「弱腰で消極的だ」と批判されています。しかもオバマが国務長官と国防長官に任命したケリー前上院議員とヘーゲル元上院議員は、2人とも海外での軍事力行使に消極的。第二次オバマ政権は、海外の軍事紛争に非介入主義的な戦略を採る可能性が高い。