香港の中心部で1日、親中派で香港政府トップの梁振英・行政長官の辞任を求める民主化要求デモが行われ、主催者発表で13万人を超える人々が参加した。1997年に中国に返還された香港では、自由や人権が次第に失われている。イギリスの統治下で、自由の大切さを味わった香港の人々が、自由を求めて立ち上がった形だ。

1日付読売新聞ネットニュースなどによると、当初予想されていた参加者は5万人だったが、実際には13万人を超える人々が参加。「梁氏はうそつきだ」「普通選挙実現を」などとシュプレヒコールを上げながら、繁華街を行進した。

昨年3月に行われた長官選挙では、梁氏が、対立候補の唐英年・元政務官(閣僚)の自宅違法増築問題に批判を浴びせて、逆転勝利を収めた。しかし、その後、梁氏自身にも同じ問題が発覚。昨年7月の就任以降、支持率が低迷を続けている。

現在、中国政府は、イギリスの統治下で繁栄した香港を特別行政区にして、「50年間政治対体制を変更しない」と一国二制度を敷き、西側諸国に対する「ショーウィンドウ」の役割を担わせている。

しかし最近では、海外に出た香港人の民主化活動家らが、再び香港に戻ることができなくなるなど、中国本土と同じように、じわじわと言論の自由などが奪われている。今回のデモはこうした中国政府の思想統制に対する、香港人の怒りが顕在化したと言える。

大川隆法・幸福の科学グループ創始者兼総裁は2011年5月、香港で説いた法話「The Fact and The Truth(邦題:事実と真実)」の後の質疑応答で、香港の人々にこう呼びかけた。「あなたがたこそ、中国人のリーダーなのです。ですから、私があなたがたに何らかの使命や責任を授けるとしたら、すべての中国人を啓蒙し、中国の未来の方向性を指し示す責任を受け入れていただきたいと思います。それこそ、世界中の人々が歓迎することです」(詳細は、関連記事へ)

これに呼応するように、直後の7月には香港で40万人規模の民主化要求デモが発生。その後も、天安門事件の日や中国国民としての愛国教育の強化に反対する、数千、数万規模のデモがたびたび発生している。自由を求める心は止めることができないのだ。

こうしたニュースを、日本人は「対岸の火事」とするのでなく、香港の人々が失いつつある「自由」の大切さに思いを馳せ、言論による支援や、自国の国防強化、周辺国との協力に力を注がなければならない。(格)

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2011年10月号記事 『香港での対話』 未来への羅針盤 ワールド・ティーチャー・メッセージ

http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=2701

2012年9月4日付本欄 香港で共産党の「洗脳教育」に反対するデモ

http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=4823