「文藝春秋」12月号の総力特集は「いまなぜブームなのか 日本人のための宗教」。メインは「3.11後の救いとは何か」をテーマにした、日本の仏教、キリスト教、神道のトップインタビューだが、彼らは被災者にどんな「救い」を説くのか。
以下、抜粋紹介。
河野太通氏(臨済宗妙心寺派管長・前全日本仏教会会長)
「被災者の方々は悪縁にあったとしか言いようがない。酷な言葉であることは承知していますが、そういう縁にあった以上、それを引き受けなくてはいけません。引き受けることで強くなり、より大きくて豊かなものを引き受けることができる人に育つのです」
池長潤氏(日本カトリック司教協議会会長・大阪大司教)
「『神は全能だから、あのような大災害が起こらないようにできたはずだ』とか『神は人を愛しているはずだ。にもかかわらず、なぜ、このような大きな不幸を人間にもたらされるのか』という問いが生まれてきます」
「納得できる説明は誰にもできないと思います。私たちは、矛盾するこれらの事柄を信じていくしかありません」
田中恆清氏(神社本庁総長・岩清水八幡宮宮司)
「過去がどうであったとか、未来がどうだということではなくて、まずは、今生かされている自分の命を、手を抜かずに一所懸命に生きていく。まずそこから始まるというのが神道の考え方です」
「神様は優しい和やかな面だけでなく、荒ぶる神となる畏れるべき一面ももっておられる」
三氏とも、人智を超えた力に対する従順さや畏れを言っているが、肝心の「なぜ」には答えられていない。分かるのは神仏のみということだろう。犠牲者の魂については田中氏が「人間死ねばすぐ、神になります」と述べ、他の二氏は触れていない。
幸福の科学はどう考えるか。大川隆法総裁は震災2カ月後に被災地・仙台で震災について説法し、「日本人全体の生き方に対する警告が、東北地方を通じてなされたということを感じ取るべきでしょう」として、なぜ東北だったのかについても見解を述べた。そして犠牲者たちの魂に呼びかけ、「あなたがたは今、実在の世界に還ったのですから、何も後悔することはないのです。そちらの世界で幸福になることが、本来の生き方であって、この世は魂の修行の場であり、何十年か肉体を頂いて修行していただけなのです」などと、諭しと救いの言葉を諄々と説いた。
神仏の本心を伝え、伝統宗教が答えられない疑問に答え、本当の救いをもたらす宗教が、現代の日本で急速に広まっている。「日本人のための宗教」を特集する上でそれに触れないのは、不十分というものだろう。(司)
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2012年1月8日付本欄 天台・真言座主の言葉と、大川総裁説法との差 東日本大震災をどう語ったのか?
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【関連書籍】
幸福の科学出版HP 『逆境の中の希望』 大川隆法著 (上記説法をCD付で収録)