大川隆法総裁 質疑応答レポート
アメリカの揺らぎは白人文明衰退の表れ
2012年10月9日 幸福の科学・総合本部にて
オバマ氏とロムニー氏が接戦を繰り広げるアメリカ大統領選は、11月6日の投開票で結果が決まる。大川隆法総裁は、どちらの候補が勝利するかによってアメリカの運命は多少変わるが、もっとマクロな文明規模のシフトがアメリカを見舞おうとしていると見る。その中で日本が選ぶべき道は――。
*本質疑応答は、大川総裁の英語説法“Love, Jealousy and Effort"(「愛」、「嫉妬」そして「努力」)に続けて行われた英語質疑応答を編集部が和訳したものです。
Q:アメリカは世界の警察官の役割について、いわゆるタカ派の強硬路線と、北米本土に引いていくソフト路線の間で揺らいでいるようです。大半のムードとしては、世界の警察官であることに嫌気が差しているように見えます。今のアメリカには実現したいビジョンが欠けているため、行くべき方向が分からなくなっているのではないでしょうか。アメリカが今後どちらの方向に行くかは、特に中国の台頭が絡んでいる現在、非常に重大であり、全世界に影響します。なぜアメリカは揺れているのでしょうか。
オバマ大統領が過去から背負っているカルマ
A: ご質問は、(説法の演題『「愛」、「嫉妬」そして「努力」』に絡めて言えば)愛と戦争、愛と平和、あるいは戦争と平和についてですね。講演会1回分に値する大きなテーマで、短い時間でお答えするのは難しいのですが、英語で出ている私の著書『2012』を読むことをお勧めします。
この本は、モンテスマとケツァルコアトル*の霊言です。今年、海外で英訳が発刊されましたが、書いたのは去年、2011年です。この本のなかでは、古代アステカ帝国のモンテスマ王の霊が、「自分はインカあるいはマヤの最後の王であり、現在の合衆国大統領バラク・オバマの過去世である」と言っています。モンテスマ王を最後に、マヤ帝国はスペイン人によって滅亡したとのことです。
彼は、その時のカルマを負っています。本来、愛の人なのですが、その愛が時に弱さとなり、愛を与え過ぎたり、他人に対して親切に考え過ぎたりしてしまうのです。しかし、この世には、時として悪しきもの、悪しき人物、悪に取り憑かれた人たちがいます。彼らは歴史上「入植者」や「侵略者」と呼ばれることもありました。モンテスマは、過去の数百年間侵略者であった白人のスペイン人によって滅ぼされ、次にネイティブ・アメリカンとして転生しました。その時も白人のアメリカ人プロテスタントに殺されたようです。
そして今、彼は合衆国大統領になり、弁護士を開業した当初から、貧しく弱い人たちを助けたいと思ってきました。しかし、その心の傾向性は、破滅しそうな人々をいかに救うかに留まり、上を目指す方向を見てはいません。いかにして偉大な国家や文明を創り、帝国主義的な悪しき侵略に立ち向かい、パワーバランスをもたらして世界平和を実現し、二つの大国間のバランスを取るかなどについての考えが、最初から欠けているのです。なぜなら、彼はその宗教歴において、「この世の命を投げ出すことが神の御心に叶う」と教えられたことが多かったからです。
*モンテスマ2世……1466~1520年。アステカの王。モクテスマ2世とも呼ばれる。1519年、スペインのコルテスが兵を率いてやって来たとき、白人を見て、予言されたケツァルコアトル神の再来と誤解したため、彼らの侵略を許し、1521年、アステカは滅亡した。
*ケツァルコアトル(ククルカン)……古くは紀元前より、マヤやアステカなどのメソアメリカ文明で信じられていた平和の神(マヤでの呼び名は「ククルカン」)。「羽毛ある蛇」を意味する。同書に登場する霊人は、9世紀ごろ、ケツァルコアトルを名乗り、当時の文明の繁栄を築いた王。マヤやアステカには、その復活の伝説が遺っている。
白人文明から有色人種文明へ、タイムシフトが起きている
しかし私は、少し違うと思います。キリスト教はこの2000年間、「他の人のために命を投げ出すことは善である」と教えてきましたが、西洋の歴史を見れば、彼らの行動はそれとはまったく異なるものです。彼らには別の側面があるのです。彼らは自分たちの帝国や国家の正義と強さを求め、アフリカやアジア、南米で、キリスト教ではない宗教を信じていた人々を、時代遅れで悪霊に取り憑かれているのではと考え、滅ぼそう、殲滅しようとしてきました。現実に、そういった傾向性があります。
ここが、純粋なキリスト教徒と、キリスト教国から出てくる政治家や国際政治学者との違いです。これは大きな疑問です。なぜキリスト教に、そういった十字軍的な政策や思想があるのか。もちろん、キリスト教国は歴史上、十字軍としてイスラムと戦ったので、それがカルマになっているとは思います。
しかし、物事の先が見える立場から申し上げるとすれば、先ほどの『2012』という本からも分かるように、タイムシフト(時代の変化)が起きているのです。白人の文明は衰退して歴史の波間に沈みつつあり、有色人種による新しい勢力が興ってきています。それが黄色人種か黒人か、定かには申し上げられませんが、有色人種の力が今、現れてきているのです。その一部は中国であり、一部は日本、一部はイスラム勢力だと思います。
結論は歴史そのものが決めることなので、現時点で明確に未来を予言することはできません。しかし、あなたの言う世界の警察官と自国中心主義の間の揺れは、まさに文明の変動なのです。どちらの文明が優勢になり、地上を席巻するかが、地球の新たな歴史を決めます。今が、その変化の時代です。
アメリカ大統領選の結果は中国の勢いにも影響する
ですから、次の大統領選でアメリカの未来が占えるでしょう。