米軍の新型輸送機オスプレイに反対する沖縄県民大会が、9日に行われ、会場は「日米同盟反対」一色に染まったが、その中で保守系市民団体が中国による軍事的脅威に警鐘を鳴らす横断幕を掲げる一幕があった。YouTubeに掲載された映像によれば、横断幕を掲げた参加者は「中国は県民大会を沖縄独立運動として報じ、『琉球奪還』を主張する口実にしている」などと主張している。

一方、NHK、朝日新聞を含む各メディアは、大会に10万1千人が集まったと、主催者発表をそのまま報道している。しかし主催者情報は事実を歪めている面が多く、世論を誤った方向に扇動しかねない。

まず、県民大会の会場となった宜野湾海浜公園の面積を考えると、10万人を収容すれば1平方メートルあたり4人を押し込まなければいけない計算になるという指摘がある。実際に、警察発表は2万5千人であり、会場が比較的空いていたことから参加者数は1万5千人前後と見積もる関係者もいる。

県民大会をめぐっては、主催者側と地元市町村との癒着も疑われている。市民団体「沖縄の自由を守る会」などによると、台風の影響で中止になった8月5日の県民大会に際し、那覇市は税金を使って15台の無料バスをチャーターする予定だった。他にも、各地域に設置された役所のスピーカーを使って大会参加の呼びかけがアナウンスされていた。

今回の9日の大会に際しても、参加を呼び掛ける文書を那覇市を含む複数の市町村ホームページが掲載している。特定の政治集会に堂々と肩入れする沖縄の自治体の姿勢は、常軌を逸していると言わざるを得ない。

オスプレイ問題は、左翼団体が沖縄の地元自治体と癒着して反対集会を運営し、それをメディアが誇張して報じて騒ぎを大きくしている面がある。これらの運動に対する中国の工作もささやかれているが、自治体、メディアともども、職責に則った公正な態度に努めるべきである。

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