中国の西南財経大学がこのほど、「中国家庭金融調査報告」を発表。2011年時点の世帯当たり保有資産平均額を明らかにした。それによると、都市部が248万元に対し、農村部は38万元で、格差は6.6対1であるという。

また世界銀行によると、1%の中国人が41.4%の所得を占めているという。所得格差が大きいアメリカでも23.5%で、中国の異常な「格差社会」が進んでいる。ちなみに日本の場合、1%の富裕層が持つ資産は全体の9.2%というから、まだまだ平等だと言っていい。

このほかにも「格差」を示す数字は多い。都市住民一人当たりの所得は農村住民の3.3倍。上場国営企業の幹部と同一般職員の所得格差は18倍。さらに国有企業幹部とサラリーマンの給料の格差に至っては128倍になるとの指摘もある。

所得分配の不平等さを測る指標である「ジニ係数」は、0.4が警戒線とされている。これを超えると格差が顕著となり、社会不安が感じられるといわれるが、2009年時点で中国のジニ係数は0.47となっており、現在もその数値は上昇している。

不動産についても国民の62.9%が「住宅価格は高すぎる」と世論調査に回答している。

大きな格差の中で庶民は、憲法に書かれている「上訴権」を頼りに北京の陳情受付所へ不満を訴えにいくが、たいていは取り合ってもらえず、残酷な扱いを受ける人も少なくない。

いまや官僚の汚職に対して高まる庶民の不満は「報奨金」を受け取るロンドン・オリンピックの中国選手団にも向けられている。多くの国民がスポーツ選手も"特権階級"と捉えているためだ。本来オリンピックとは、国民が一体感を持って自国の選手を応援し、努力と成果を称える祭典である。そこへ反感や嫉妬という感情を持ち込まざるを得ないほど、中国の人々は追い込まれている。

大川隆法・幸福の科学総裁は7月25日、さいたまスーパーアリーナで行われた説法「希望の復活」で、こう述べている。

「国家の政策に対して『間違っている』と思うなら、それを批判する自由をも与えるべきです。そして為政者はその批判に耳を傾け、正しいと思うなら考えを変え、その批判を受けても、この考えを推し進めることが国民のためになるというならば、それを説得すべきであります」

中国の格差が真に正されるには、政府が国民に「政策の批判をする自由」を与える度量を持つことが必要だ。(清)

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2012年7月25日付本欄 大川隆法総裁、御生誕祭講演会「希望の復活」で世界の自由、平和、正義、繁栄を説く

http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=4644