消費増税法案が参院本会議で可決、成立したことを受け、幸福実現党(立木秀学党首)が10日、「デフレ下での増税は経済政策としては究極の愚策」「野田首相が2、3年後の経済財政状況に責任を取るつもりがあるとは到底思えない」などと、消費増税に反対する声明文を発表した。以下はその要旨。

▽税率引き上げまでの間、一時的に駆け込み需要が発生し、見かけ上は景気上昇する可能性はあるものの、増税後の反動による消費停滞で内需は一層萎縮し、日本経済の沈没がもたらされることは避けられない。

▽日本の財政状況は、ギリシャなどと同様に危機的水準に達しており、増税は必要だとの見方もある。しかし、我が国は国内で政府債務のほとんどを消化しており、長期金利は主要先進国でもほぼ最低の水準に抑えられている。日本の財政危機をいたずらに喧伝するのは、増税正当化の「ためにする」議論にしか過ぎない。

▽真に財政再建を望むならば、高い経済成長により、債務残高の対GDP比率を縮小させることを志向すべき。そのためには、デフレ克服を可能とする金融緩和と法人税などの大減税、実効性ある成長戦略こそ実施すべきだ。

▽自民党は党利党略により早期解散を求め、3党合意を反古にする構えをみせた挙句、一転、採決合意に至った。この空騒ぎで露わになったのは、民主はもとより政権復帰をうかがう自民も、増税という政策面のみならず、その国民不在の政治姿勢からも責任政党たり得ないということである。

税率引き上げ法の成立は18年ぶりで、2014年4月に8%、15年10月に10%に引き上げられる予定だ。民自公3党は「法案成立後、近いうちに国民に信を問う」と合意しており、政局の焦点は衆院解散・総選挙の時期などに移る。

しかし、真に財政再建を実現するには、幸福実現党の指摘どおり、金融緩和や成長戦略などで高い経済成長を目指さなければならない。少なくとも、消費増税法案の成立に「政治生命をかける」と言った野田佳彦首相にやるべきことは残されていない。いち早く、民意を問うべきである。(居)

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2012年8月9日付本欄 何をやっているのか谷垣自民総裁、野田首相に丸め込まれる

http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=4687

幸福実現党公式サイト 【プレスリリース】消費増税法の成立を受けて

http://www.hr-party.jp/new/2012/27600.html