中国が尖閣問題に対する態度をさらにエスカレートさせていることを、14日付各紙が伝えている。

以下は、主な項目。

  • 中国共産党機関紙の人民日報は、尖閣諸島の購入計画や国有化方針などの日本の行動を非難している。武力行使の可能性をちらつかせ「日本の政治家たちにはその覚悟があるのか」と挑発。
  • 中国国防大学戦略研究所所長の金一南少将が「沖縄は中国の属国だった」と"暴論"を展開。金氏は「日本の(沖縄の)占領を認めるに足る国際条約はない」など持論を展開し、世論を扇動している。
  • 中国農業省は12日、尖閣諸島を含む東シナ海で、休漁期に漁業監視船による巡視活動を不定期に行うと発表。
  • 第11管区海上保安本部によると、11日から日本領海を侵犯した中国の漁業監視船3隻が、13日、2度も進路を変えて日中中間線通過を繰り返すなど不可解な行動を見せた。

東京都は尖閣諸島購入後の開発計画を示し、石原都知事は「自衛隊が常駐すべき」(13日定例記者会見)と発言している。これに対して日本政府は尖閣諸島の国有化を進めようとしているが、これは東京都の急進的な動きを牽制し、中国との外交衝突を避けるのが狙いであると見られる。地権者は政府の姿勢に不信感を抱いているというが、もっともだろう。

日本政府は「尖閣諸島には領土問題は存在しない」という立場を取っているが、これを何もしない言い訳に使ってはならない。自国の領土を守るのは主権国家として当然の権利であり義務である。

また、「沖縄は中国の属国だった」という論は沖縄県内にも入っており、世論は扇動されている。しかし、中国が尖閣諸島の領有権を主張し始めたのは1971年のことで、近海で石油が埋蔵されていることが分かったためだ。中国側の流す情報に踊らされないためにも、マスコミが正しい情報を発信することも重要である。

中国側の相次ぐ暴論に対して、日本政府は厳重抗議すべきだ。「こちらにも覚悟がある」と、武力行使も辞さずという強い姿勢を見せなければならない。"ならず者"に対して弱腰を見せれば、どこまでも土足で入ってくる。尖閣諸島が獲られたら、間違いなく沖縄本島が侵略の危機にさらされる。(晴)

【関連記事】

2012年8月号記事 沖縄が招く日本の危機 - 石垣島・沖縄本島ルポ

http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=4479

2012年7月号記事 沖縄で起きる「度肝を抜く出来事」とは何か? - Newsダイジェスト

http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=4366

2012年7月12日本欄 中国が尖閣海域への漁船進出を解禁へ 大挙して漁船が押し寄せる?

http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=4568