インドのシン首相は27日、インドの首相として25年ぶりにミャンマーを訪問し、28日首都ネピドーでミャンマーのテイン・セイン大統領と会談した。

会談で両国は、インドとミャンマーを結ぶバス路線の開発で合意し、インドからミャンマーへの5億ドル(約400億円)の借款供与を正式に決定し、インド企業によるミャンマーでのエネルギー資源開発への投資促進なども表明した。ミャンマーとの国境付近で活動するインドの反政府武装勢力の取り締まり強化なども協議したと見られる。

昨年9月、ミャンマーは中国の援助を受けて造る予定だった水力発電用のダムの建設凍結を表明し、"中国離れ"の意思表示をした。26万人が立ち退きを迫られ、自然環境への悪影響が明らかになったからだというが、ミャンマーには中国に対する警戒心がもともとあるという。

昨年からのミャンマーの民主化には、軍政下での自国経済の発展があまりにも遅れたため、中国への依存を反省し先進国の支援を得て経済を発展させる、という動機があったというのが主要国の見方だ。

一方の東京証券取引所と大和証券グループ本社は29日、ミャンマー初の証券取引所開設に向け、同国の中央銀行との間で、資本市場の育成を支援するための協力覚書を締結した。東証と大和証券は高成長が見込まれるミャンマーでの影響力確保を目指すという。

"中国離れ"をしたミャンマーとインドが関係を強化し、日本が加われば、「中国包囲網」は強固になる。中国の脅威を封じ込めるための外交戦略を急がねばならない。(居)

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