「これが私の最後の選挙です。選挙が終われば、もっと柔軟になれます」(オバマ米大統領)

「わかっています。このことはヴラディミール(プーチン)に伝えておきます」(メドベージェフ露大統領)

26日に行われた米露首脳会談の終了間際、写真撮影のために報道陣が入室した際に、マイクが両首脳の会話の一部を拾った。

会談ではミサイル防衛(MD)について、両首脳が意見を交わした。イランからの脅威を念頭に、アメリカはMDシステムをヨーロッパに導入しようとしているが、ロシア側は「自国に向けられたものではないか」という強い警戒感を示しており、両国間の懸案となっていた。

冒頭で紹介したオバマ氏のコメントをめぐっては、融和的すぎるという批判が出ているが、もしオバマ氏の本音通りに米ロがMD問題解決に向かうなら、戦略上好ましいだろう。中国の軍拡の問題は、両国が共有する大きな懸念だからだ。

中国の拡張主義を警戒して、アメリカが外交の重心をアジア・太平洋に移す一方で、シベリアで中国と国境を接するロシアにとっても、中国の軍拡は看過できない。

オバマ政権は、冷戦の経緯から冷え込んだままだった米ロ関係を「リセット」する方針で来たが、プーチン首相の大統領返り咲きが決まったことで、米ロ関係が再び冷え込むとの観測が出ていた。しかし、中国の影響力が地域の安全を脅かしかねなくなっている現状にあって、抑止網を作る上で米ロが協調するのが望ましい。

大川隆法・幸福の科学グループ創始者兼総裁は3月6日、プーチン次期大統領守護霊の霊言を収録し、新大統領の深層心理に迫った。霊言の中でプーチン氏守護霊は、「次の問題は、やっぱり中国だよ。世界でいちばん危険な怖い国は中国だよ。そのためだったら、うちも中国包囲網の中に入るべきだと思っている」と発言している。

冷戦の感情的なしこりや、民主主義についてアメリカに潔癖なところがあるため、米ロ歩み寄りのためには橋渡し役が必要である。日本はロシアとの経済協力を進めて、中国に対する抑止網構築のプロセスに、同国をうまく引き込めるように取り組む必要がある。

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