イランの国会議員選挙(定数290)で、アフマディネジャド大統領派が大敗する見通しとなっている。3日の段階で大統領派はわずか9議席の獲得に対し、ハメネイ師の支持派は81議席と圧勝する勢いだ。

アフマディネジャド大統領は約1年半の任期を残しているが、今後の政権運営はかなりの困難を伴うことが予想され、来年の大統領選にも大きな影響を与えることになりそうだ。

ハメネイ師の支持派は、核開発問題では、欧米とは一切の妥協はしない超保守派であり、外交面での柔軟性は低下し、核問題についての強硬姿勢は増すことになる。イスラエルによるイランの核施設への攻撃も取り沙汰されており、今後、中東情勢は一気に緊迫する可能性が高い。

イランの核開発に対しては、欧米による経済制裁によってイランでの反発も高まっており、超保守派の選挙勝利によって、米オバマ大統領も重要な決断を迫られる可能性がある。

アメリカの国防戦略としてはアジア重視の姿勢を打ち出したばかりだが、中東との2面作戦を余儀なくされれば、ただでさえ厳しい財政運営が益々困難になる。対応によっては米大統領選にも大きな影響を与えることになりそうだ。

やはり、かねてからの予想通り、今年は国際情勢がかつてない地殻変動に見舞われる可能性が高い。(村)

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