6日に文部科学省が公表した2010年度の調査では、小中高などでいじめを認知した件数が、前年度よりも約5千件増加の約7万8千件となり、現行の調査方法となった2006年度以降の減少傾向から初めて増加に転じた。
2006年度の12万4,898件に比べれば総数自体は少ないが、それでも7万を超える件数のいじめが認知されている。当然、認知されていない潜在的ないじめを含めれば、その件数は、さらに増加するだろう。
しかし、専門家が「学校の先生に『いじめは許さない』という強い決意があれば、いじめは一日で解決できる」と指摘しているとおり、いじめを正すのは一義的に現場の教師の役割である。
また、いじめを正すには、その教師が善悪の判断ができることが大前提だが、そもそも善悪の判断はどこから来るか。それは宗教的価値観だろう。
戦後、教育界から宗教が排除されたために、現在の公教育の現場は善悪の判断があいまいになった。並行して「教育の独立」を掲げる日教組などの左翼勢力によって、教育現場が誰にもチェックできない"聖域"となり自浄作用を失った。こうした要因が、いじめの隠蔽や黙認、教師の指導力の不足を招き、自殺などのいじめ問題の深刻化につながっていると言える。
大川隆法・幸福の科学総裁が「人間は、仏神から与えられた生命を持っているがゆえに尊い」(『生命の法』)と指摘するように、すべての善悪の基準は、宗教的真理から出発している。そうであるからこそ人間は尊く、また、いじめは絶対に許されない。つまり、教師は、単に知識を教えるだけでなく、全人格的な教育によって児童・生徒に深い感化を与え、善なる方向へ導くことが必要なのだ。
いじめを根絶するためにも、そして、日本から優れた人物を輩出するためにも、教育現場に宗教的真理を入れるべきである。(浦)
【参考書籍】
幸福の科学出版ホームページ『生命の法』 大川隆法著
http://www.irhpress.co.jp/detail/html/H0218.html
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2012年1月号記事 連載「いじめは必ず解決できる」